20081225 日本経済新聞 朝刊

 年金では、二〇〇四年の年金改革での公約通り、来年四月から基礎年金の国庫負担割合を現在の三分の一強から二分の一に引き上げるため、二兆三千億円の財源を新たに手当てした。政府が現行制度で約束している保険料負担の上限、給付水準の下限をともに守るための大前提をとりあえずクリアしたといえる。
 ただ、消費税増税など税制改革が先送りされ、向こう二年間は財政投融資特別会計の「埋蔵金」を使った「つなぎ財源」でしのぐしかない。このため、三年目以降の安定財源の確保が年金制度の持続性を高めるための大きな課題。依然として年金財源は不安定だ。
 一方、年金制度への不信の大きな原因となっている記録漏れ問題への対応もなお道半ばだ。
 コンピューター上の記録と紙台帳などとの突き合わせを円滑に進めるため、〇八年度一次補正予算に紙台帳などの電子画像データを検索するシステムの開発予算を計上したのに続き、新たに百七億円を追加。厚生年金の算定基礎となる月給水準(標準報酬月額)の改ざん問題を巡り、年金受給者に報酬月額の確認を求める通知を出す予算も百十一億円盛った。
 一〇年一月に社会保険庁を廃止し、後継組織である「日本年金機構」に衣替えするための経費も四十四億円計上した。記録問題は泥沼化の様相を見せており、社保庁廃止後も解明作業は続く。


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