20081224 日本経済新聞 夕刊

 二十三日の米株式相場は五日続落。ダウ平均は前日比一〇〇ドル安で終えた。前日に格付け会社が自動車大手三社の破綻リスクが依然大きいとするリポートを出し、格付けを引き下げたことが嫌気された。ゼネラル・モーターズ(GM)は一四%安。
 十一月の新築・中古住宅販売件数が発表され、市場心理を冷やした。いずれも市場予想を下回ったうえに、十月の販売実績がともに下方修正されたため、投資家の間で市況改善の期待が大きく後退した。
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 RDQエコノミクスのジョン・ライディング氏も「光明が全く見えない」と語る。売れ残りの住宅在庫をすべて処分するには、新たな住宅建設を完全に止めても約一年かかる。
 単なるバブル崩壊の段階を超え全国的な住宅不況の様相だ。中古住宅価格は二〇〇四年の水準に下落。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を当時最低の一%まで下げた年だ。あふれた資金が住宅や株などの資産に向かった。
 これをもって、クリントン政権時に労働長官を務めたロバート・ライシュ氏は「住宅バブルの始まりの地点に戻った」と見る。
 ただ住宅価格が賃貸価格の上昇ペースを上回って急上昇し始めたのは、ベビーブーマー世代が本格的に住宅購入を始めた一九八〇年代であることを考えれば、住宅バブル崩壊の終着点はもっと先になってもおかしくないという。
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 今後の注目は住宅ローン金利の低下が市況にどう影響するかだ。FRBがゼロ金利政策と住宅ローン証券購入による量的緩和を導入し、住宅ローン金利は三十年物で五%台半ばを付けている。一部のローン会社には借り換えの申し込みが殺到中という。
 ただ消費者心理が障害になる。企業の人員削減が広がり、職のある人でも将来のリスクとなる借金を背負うことに消極的になる。
 住宅価格が十分に下落し、低利ローンが借りられるようになっても、人々は家を買わないかもしれない。来年は大半の米国人にとって「貯蓄」の年となることが予想されている。
(ニューヨーク=財満大介)


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