20081222 日本経済新聞 朝刊
「老後の生活資金を少しでも増やせないか」――。そんな団塊世代のニーズをくみ取り、退職金などの受け皿として銀行や証券会社での販売を積み上げてきた変額年金保険。契約者が払い込んだ保険料分は戻ってくるという「最低保証」に安心感をおぼえ、契約した人も多いだろうが、株安で最低保証が外れる商品が出てきた。保険料分の最低保証といっても保証の種類や条件を細かく設定している商品もあり、注意が必要だ。保証にかかるコストも見逃せない。
変額年金はひとことでいえば投資信託と生命保険を組み合わせた商品だ。契約者が払った保険料を株式や債券を組み入れた投信で運用するため、年金の受取額は運用実績によって異なる。一定の運用期間中に契約者が死亡した場合は、保険料分を死亡保険金として支払う。契約者が運用期間中に払う手数料は、保険にかかる費用と投信にかかる費用の二種類があるほか、契約時に販売手数料が必要な場合もある。
生命保険会社は一九九〇年代後半から変額年金の販売を始めた。残高は〇八年三月末で十六兆円超。資金を集めた大きな理由は「最低保証」の仕組みだ。
変額年金の最低保証は運用期間が終了したとき(年金の受け取りを開始するとき)に運用実績が払い込んだ保険料を下回っても、保険料分を埋め合わせて保証する。投信などに比べて値下がりのリスクを回避できるのが人気の理由だった。
運用実績が元本を下回った分は保険会社が補てんするため、保険会社にとって最低保証の負担は大きい。負担分は契約者が払う手数料に上乗せするほか、最低保証に備える準備金を積んだり、不足分を埋め合わせるための「再保険」契約を別の保険会社と結んだりして対応している。
それでも保険会社にとって最低保証の負担は重く、保証に細かな種類や条件を設けている保険会社がある。
変額年金販売で最大手のハートフォード生命保険が〇七年二月から販売している「アダージオ3WIN」は、運用実績が保険料の八〇%を割り込むと運用を停止するという条件を設けている。世界的な金融危機による株安で、〇八年十月からこの条件を適用する契約者が出始め、十一月十二日時点で九〇%以上の契約者の運用を停止したという。
運用を停止すると、契約者は保険料の八〇%を一括で受け取るか、十五年に分けて保険料分を年金として受け取るかの選択を迫られる。ハートフォードは「年金での受け取りを選んでいる契約者が多い」としている。
マニュライフ生命保険が〇七年六月から販売する「びっくり箱」は複数のタイプの最低保証を設けている商品。投信の株式組み入れ比率が五〇%のタイプは保険料分を最低保証するが、十年の運用期間の場合、株式比率が七五%のタイプは九〇%しか保証しない。
住友生命保険が〇八年七月から販売する「たのしみ世代」も種類によっては元本の九五%までしか保証しない。
最低保証が足りない分は債券の組み入れ比率が大きく運用が安定的だったり、手数料が安いなどのメリットはある。ただ、資金の目減りを気にする人なら契約前に商品内容をチェックしておく必要があるだろう。
変額年金の購入に当たっては費用のチェックが重要だ。最低保証と死亡保障とで保険の機能が付いている分、運用商品としては手数料も高い。投信と比較すると購入時の手数料が約一―三%割高なほか、運用期間中の手数料も一%前後高い場合が多い。死亡保険金は相続人一人当たり五百万円の非課税枠があるなど相続対策としてメリットもあるが、保障に見合うコストなのかを事前に確認した方がいいだろう。
さらに運用期間中の途中解約にコストがかかることも知っておきたい。保険会社は預かったお金を長期で運用して利回りを稼ぐため、途中解約にはペナルティーを設けている。たとえば住友生命の「たのしみVAプラス(バランスプラン)」(運用期間十年・保険料一千万円)に〇七年五月一日に加入した場合、〇八年十月末時点の運用額は八百万円。運用実績が低下したからといって解約すると、八百万円のうち七百五十八万円しか戻ってこない。(高橋元気)
-----------------------------------------------
・短期海外旅行保険の比較、長期海外旅行保険の比較相談
・留学生・ワーキングホリデーの保険比較
・企業包括契約、外国人受入など
・女性向け保険サイト-乳がん、子宮筋腫等の情報も満載-
・妊婦でも加入できる医療保険。妊娠中の帝王切開にも対応!
・オリックス生命 CURE Lady(キュア・レディ)
・保険総合サイト