20081219 日本経済新聞 朝刊

閣僚折衝 重点枠に要望殺到
 中川昭一財務相は十八日、二〇〇九年度予算の財務省原案とりまとめに向け、各閣僚との折衝に臨んだ。舛添要一厚生労働相とは、来年四月から基礎年金の国庫負担割合を二分の一に引き上げることで合意。当初二年間の財源は財政投融資特別会計の積立金で一時的につなぐ考えを表明した。政府内の関心は、原案内示後に麻生太郎首相が配分を決める三千三百億円の重点枠の獲得に移っている。
 今回の予算編成は「首相官邸主導」を印象づけるため、従来の慣例が一部見直された。二十日に財務省原案を内示した後の各閣僚による「復活折衝」を原則廃止。自民、公明両党の政調会長が要望を取りまとめて財務相に申し入れる形に改める。このため閣僚折衝が原案内示前の十八日に前倒しとなった。
 今回の予算編成で迷走を重ねた社会保障費を巡る課題はようやく決着した。基礎年金の国庫負担割合の引き上げに必要な約二兆五千億円の財源には、「埋蔵金」と呼ばれる財投特会の資金を「緊急、臨時的な措置」(中川財務相)として二年間に限り投入する。
 しかし将来の安定財源確保という最大の課題に決着はついていない。財務省は一一年度以降、消費税などの増税で恒久的な財源を確保することを期待するが、与党で議論している税制抜本改革の「中期プログラム」の着地点は見えず、決定は二十四日にずれ込みそうだ。
 十八日の折衝では、社会保障費の伸びを二千二百億円抑制する対応策も正式に決まった。実質的には後発医薬品の利用促進によって医療費を二百三十億円削減するのみ。残りは一般財源化する道路特定財源から六百億円、年金特会に設けた基金の清算で千三百七十億円の穴埋め資金を捻出(ねんしゅつ)するという数合わせに終わった。
 一方、与党の歳出増圧力の強い分野では三千三百億円の重要課題推進枠への期待が高まる。金子一義国土交通相は公共事業費の確保を求めた。地方の道路整備のほか、北海道新幹線(札幌―長万部間)など整備新幹線の三つの未着工区間の整備費用を追加計上するよう打診。
 石破茂農相は米粉用のコメ増産など水田の有効活用や耕作放棄地対策など六点を要望。景気後退による雇用情勢の悪化を踏まえ、農相は「農林水産業が雇用の吸収に役割を果たす」と強調。新規就農者を雇う農業法人への支援などの拡大も求めた。


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