20081210 日経MJ(流通新聞)
家庭菜園・日曜大工を再開
ポイント
(1)定年後の団塊男性では三分の一は家計をかなり引き締めている
(2)国内旅行、パソコンなど多くの分野で趣味を持つ人が定年後増えた
(3)かつての趣味を定年後に再開する動きが余暇需要を堀り起こす
団塊世代の大量退職が始まって二年目の年がもうすぐ終わるが、団塊男性は定年後に家計は引き締めつつも、趣味への出費意欲は旺盛なことが日経産業地域研究所の調査で明らかになった。旅行やパソコンなどは新たに趣味にする人が多く、ガーデニングや家庭菜園では、かつて経験した人が再び始めるケースも目立つ。いずれも団塊向けに有望な消費市場といえよう。(詳細は「日経消費マイニング」12月号に掲載)
団塊世代は今年、五十九―六十一歳になる。産地研では昨年十月に続いて今年十月、全国のすでに六十歳定年になった男性を対象に「第二回定年団塊の消費実態調査」を実施した。回答者は定年後二年目と一年目の計四百三十八人。
定年後二年目の六割強、一年目の七割強は継続雇用や再就職などで仕事をしているが、景気後退下で家計の引き締め意識は強く、「かなり引き締めている」が定年二年目で三四・四%を占めた(図表1)。十一月に実施した別の調査では、勤め人全体ではこの割合が二〇・〇%だったのに比べ一四・四ポイントも多い。定年一年目もほぼ同じ程度に引き締め意識は高い。
「かなり」または「いくらか」家計を引き締めている人に引き締めている費目を尋ねると(複数回答)、外食が七二・一%で最も多く、「衣料・服飾雑貨など」が五九・五%で次いだ(図表2)。趣味では旅行が三四・二%にとどまり、ガーデニング(園芸)は三・三%とごくわずか。趣味の分野は引き締めたくないという意識がうかがえる。
趣味については、取り上げた二十三分野のうち十九の分野で定年前よりも現在、趣味にしている人の数が多かった(図表3)。
定年後に減ったのは「競馬・パチンコなど」(定年前に比べ四・九ポイント減)、「ゴルフ」(四・五ポイント減)、「登山・つり・ダイビングなどアウトドアスポーツ」(一・二ポイント減)、「テニス」(〇・八ポイント減)だけだ。
現在、趣味にしている割合が七六・五%と最も高い国内旅行では、定年前より七・三ポイント増えた。これに次ぐパソコン(六八・八%)は一二・一ポイントと二ケタ台の増加。海外旅行も六・一ポイント増え、四〇・九%となった。
旅行は定年退職の記念消費としても人気だ。〇七年の第一回調査(ネットの回答者での集計)では、定年記念に三四・四%が国内旅行、一四・一%が海外旅行に出かけていた。今回調査でも定年一年目の三四・六%が国内旅行に、また一二・六%が海外旅行に定年記念で出かけている。
定年二年目では過去一年間に国内旅行に二回以上行った人が六〇・八%、海外旅行も過去一年間に行った人が二四・三%と堅調。今後も、国内旅行に年二回以上は行きたい人が六五・二%、海外旅行に年一回以上は行きたい人が三四・〇%を占め、旅行ニーズは高い。
最近一年間で一番満足した旅行が「国内旅行」と答えた人を対象に「体験して良かったこと」を聞くと、「温泉に入る」が六二・二%で最も多く、「自然に触れる」(六〇・八%)が小差で続いた。団塊世代の利用が多いクラブツーリズムでは「山歩きなどガイド付きのツアーが人気」と話す。
一方、一番満足したのが「海外旅行」の人では良かった点のトップは「名所・旧跡を訪れる」(六六・七%)だったが、「買い物」や「料理を楽しむ」を挙げた人も三―四割あり、目立った。
定年前に比べた増加幅が最も大きいのは「家庭菜園や農作業」で一二・二ポイント増え、二一・五%となった。パソコンの一二・一ポイントが次ぎ、三番目は「ガーデニング(園芸)や日曜大工・庭いじりなど」で一一・〇ポイント増え、二九・六%となった。
園芸と庭いじりを趣味にしている理由を尋ねたところ、最も多いのは「心が癒やされる、生活に潤いが出るから」で六八・九%。「生活に植物や緑があった方がよいから」(六七・二%)、「季節感を楽しめるから」(六〇・七%)も多い。定年後に家で生活を楽しむ雰囲気づくりの手段として重視しているわけだ。
かつてやっていた趣味を定年を機に再開する動きも広がっている。今回、再開した趣味を尋ねたところ、定年二年目では「家庭菜園や農作業」を挙げる人が七・七%で最も多く、「園芸・日曜大工・庭いじりなど」「アウトドアスポーツ」もそれぞれ四・五%あった(図表4)。
こうした経験のある趣味の再開は、リカレント市場と呼ばれ、余暇需要の掘り起こし策として注目され始めている。技能の習得などの消費者の“参入コスト”が低く、新規顧客の開拓よりは費用対効果が高いからだ。
世界的な金融危機と景気減速の中で、定年後の生活が厳しくなる不安も高まっている。趣味を続ける場合も、コストをかけない楽しみ方の提案が今後、求められよう。
(日経産業地域研究所
主任研究員 永家一孝)
▼調査の概要 調査は日経リサーチに委託、十月に同社の消費者モニターのうち六十歳で定年退職した男性にインターネットで実施。回答者数は〇七年一―九月に定年を迎えた「定年二年目」が二百四十七人、同年九月―〇八年九月に定年を迎えた「定年一年目」が百九十一人。
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