20081204 日本経済新聞 朝刊

 二〇〇九年度予算編成の基本方針はシーリングの扱いを「堅持」から「維持」へと改めた。「状況によって果断な対応を機動的かつ弾力的に行う」との文言も盛り込まれた。実際の予算編成で、小泉政権以来の歳出抑制路線にどんな影響を与えるのか。財務省は財政規律のタガが外れることへの警戒を強めている。
 財務省は公共事業費の三%削減は揺るがないとみている。問題は政府・与党内で浮上している特別枠の扱い。この中に巨額の公共事業費が入ってくると、事実上の尻抜けになってしまう。
 特別枠の創設について財務省は、当初予算で上積みを認めれば一般会計予算の膨張を招くとして否定的だ。シーリング決定時に設けた重要課題推進枠(三千三百億円)にとどめ、追加の歳出を盛り込むなら補正予算に回したい考え。
 財務省が特別枠に慎重なのは財源確保が難題だからだ。特別会計からの流用は一時的なもので「三年間で十兆円」といった歳出の財源になじまない。
 建設国債を充てる案もあるが、税収減によって増発を見込む国債発行に拍車がかかる。
 社会保障費の伸びを二千二百億円抑制する方針も事実上、棚上げとなる見通しだ。舛添要一厚生労働相は三日の閣議後、記者団に「新たな財源手当てがなければ予算編成は不可能に近い」と強調。政府はたばこ税増税で一千億円程度を捻出(ねんしゅつ)する方向で検討している。
 三日の自民党総務会では「二千二百億円の削減はやるのかやらないのか」と迫った尾辻秀久参院議員会長に、内閣府の宮沢洋一副大臣が「政治的には(削減は)ない」と応じた。

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