20081203 日本経済新聞 朝刊

節約料理本 食材使い切り
 景気後退を受けて冬のボーナスを下げる企業が多い中、「家計を少しでも楽にしよう」とあの手この手の節約術に知恵を絞る家庭が増えている。衣類やバッグなどをリサイクル店に買い取ってもらったり、一台の車を多人数で「共有」したり……。食費を安く済ませる料理本も人気を集めている。
 東京都練馬区のリサイクル店「トレジャーファクトリー練馬店」は十―十一月に買い取った品物数が前年同月に比べ約二割増えた。込み合うと、買い取りの計算が終わるまで数時間待ちになることもある。衣類やバッグなど身の回り品の持ち込みが目立つといい、中村秀紀店長は「以前は捨てていた物でも換金しようとする主婦らが増えている」と話す。
 ジャケットなど十点以上の冬物衣料を持ち込んだ同区の男性会社員(35)は「自宅に置いたままではもったいない。旅行資金に充てたい」。同区の主婦(58)は「夫が定年退職したから生活は苦しい。ちょっとでも足しになれば」とザックなどを持ち込んでいた。●車を「共有」
 一台の車を多人数で共同で利用する「カーシェアリング」。大手のオリックス自動車(東京・港)は九月末時点で二千二百人だった首都圏の登録会員数が十月、十一月と一割前後増えた。
 ガソリン高が続いた夏場も増えたが、価格が下がっている秋以降も登録の伸びが続いている。担当者は「支出を減らそうとする人が増えているため」とみる。
 書店では食費を抑えられる料理本が人気。紀伊国屋書店新宿本店(東京・新宿)の家庭料理コーナーには「使い切り」「冷凍保存がきく」などと節約をうたった書籍が平積みされている。料理本では月十冊で売れ筋というが、七―八点がこうした節約料理本。「主婦は材料を絞り、捨てていた部分も使っているようだ。景気の悪さを感じる」と売り場担当者。
●高額品手控え
 ただ節約関連品の人気は店にとっては痛しかゆしの側面もありそう。カインズホーム青梅インター店(東京都青梅市)では、風呂の水を洗濯機にくみ上げるポンプや湯たんぽなど節水・節電商品が前年比二―三倍の売れ行き。一方で石油ヒーターやストーブは約一五%減っているという。
 売り場担当者は「来客数はさほど減っていないのだが……。財布のひもは固く、高額品を手控えているようで悩ましい」とこぼしていた。


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