20081127 日本経済新聞 地方経済面

タスポ導入で「対面」強化
 中国五県のたばこ販売許可件数が急増している。中国財務局によると、四―九月のたばこ小売り販売許可件数は前年同期比一・五倍の三百二十件。十月も前年同月比一・九倍の六十二件と高水準が続いている。成人識別用ICカード「タスポ」の導入で自動販売機でのたばこ販売が落ち込む中、対面販売で補おうという小売りが増えたためだ。ただ喫煙者人口は減っており、どこまで売り上げに寄与するかは不透明だ。
 たばこを新規販売する際や移転販売する際は財務大臣の許可が必要で、財務省が近隣店舗との距離基準などを判断した上で許可を与えている。中国地方ではタスポ対応自販機を五月に導入。直後の六月の許可件数は百六件と前年同月比二・三倍に急増した。
 広島県を中心に食品スーパーを展開するフレスタ(広島市)は十月に約三十五店舗でたばこ販売の許可を取得し、「フレスタ横川店」(広島市)など約三十店でたばこの対面販売を始めた。「昼食用の弁当を購入していた会社員などが、コンビニエンスストアに流れてしまう動きが強まった」ことへの対抗策だ。
 総菜販売のつるや(岡山県津山市)も全十六店舗中十五店でたばこの対面販売を実施。八月以降に販売店を増やした。残る一店も販売許可を申請。ドラッグストアのププレひまわり(広島県福山市)やポプラも許可店舗数を増やしている。
 自販機から対面販売への消費者の移り変わりは顕著だ。中国経済産業局によると、中国五県のコンビニ販売額はタスポが導入された五月以降の五カ月では平均で二ケタ伸びており、既存店売上高も五カ月連続プラスだった。「弁当や飲み物などの『ついで買い』効果もある」(中国経産局)
 ただ、自民党などからは来年度の税制改正に向けてたばこ増税の動きも出ている。
 販売店を増やし「タスポ」特需に乗ろうという各社の思惑通りに進まない可能性もある。


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