20081124 日本経済新聞 朝刊
景気の悪化で企業のリストラが広がり、職を失う派遣や請負労働者が増えてきた。この大波に最もさらされているのが外国人労働者だろう。
在日外国人は年々増えており、入国して市区町村に登録した外国人は二〇〇七年末段階で、全国合わせて二百十五万人に上る。「仕事がなくなったので海外に帰って」などという話が通るような問題ではない。
国が出入国管理法を改正し、日系人に就労先の制限なく滞在を認めたのは一九九〇年。バブル景気で深刻だった人手不足を補う目的だった。この時、日本は事実上の「人材開国」に踏み切ったといえるが、外国人の雇用や生活環境を守る法制度は依然として貧弱だ。
まず、現在の外国人登録制度では申請がない限り、本人が他の市町村に転居してもわからない。
外国人比率が人口の一割を超す岐阜県美濃加茂市は今年五月、隣接する可児市と共同で外国人に対し、引っ越しをする際には届け出を求める独自の制度を始めた。わずかこの半年の間に可児市への転出者が三十三人、可児市からの転入者が三十七人いたという。
正確な住所すら把握できなければ、外国人の子どもを学校に受け入れることもできない。福祉サービスの提供や災害時の緊急対応も困難だ。
第二に、生活の安全網(セーフティーネット)の外に置かれている点も問題だ。外国人の比率が高い自治体で構成する「外国人集住都市会議」の調査では、健康保険に加入している人は三、四割。年金などの加入者はさらに少ない。
外国人側が手取り収入の減少を嫌がる面もあるが、保険料負担を避けるために雇用契約を意識的に短期間にとどめている事業者が少なくない。
労働条件も厳しい。特に、国際貢献を名目に、外国人に現場で働きながら技能を身につけてもらう「研修・技能実習制度」の評判が悪い。実態は労働者なのに、一年間の研修期間を終えた後も最低賃金すら守らない不正行為が後を絶たず、海外から批判されている。
九〇年に事実上の開国をしたころには、数年で帰国する短期滞在者が多かったが、今では家族を呼び寄せ、生活基盤を日本に移した人が少なくない。永住資格をもつ外国人は全体で八十七万人、ブラジル人だけでも八万人程度いる。
政府は外国人向け台帳制度の創設などに乗り出したが、周回遅れの状況だ。職もなく、日本語も話せない外国人が増えれば、地域社会のなかで思わぬトラブルを招くおそれもある。
群馬県大泉町や豊田市など製造業の町で目立つ日系ブラジル人は三十一万七千人に上る。少なくとも、こうした地域で働く大半の外国人は日本人と同じ「生活者」だ。
教育や雇用対策などあらゆる面で、彼らと共生する社会基盤を官民共同で早急に整える必要があるだろう。
(編集委員 谷隆徳)
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