20081117 日本経済新聞 朝刊

 新型インフルエンザが発生した際、自分に発熱の症状が出た場合は最大で約九七%の人が医療機関を受診する――。こんな意識調査結果を、国立感染症研究所の研究グループがまとめた。医療機関受診者は最大でも発症者の約七八%としている政府の想定よりも高く、新型インフルエンザ対策で患者を受け入れる医療機関の体制強化の議論に影響する可能性がある。
 同研究所・感染症情報センターの菅原民枝研究員らのグループは昨年九月、二千六百十五世帯・八千四十人に対してアンケート調査した。「新型インフルエンザが流行し、自分に三八度の発熱の症状がある」と仮定。新型インフルの致死率が高い場合と低い場合に分け、「医療機関の受診」「一般用医薬品の服用」「自宅療養(何もしない)」の三つのうち、どう行動するか選んでもらった。
 新型インフルの致死率が高い場合、全体の九六・八四%が医療機関を受診すると答えた。また、致死率が仮に通常のインフルエンザと変わりない場合でも、八四・九四%が医療機関の受診を選んだ。
 政府の新型インフルの被害想定では、最大で三千二百万人が発症。このうち医療機関を受診するのは最大でも約七八%の二千五百万人と想定している。ただ、この試算は米疾病対策センター(CDC)のモデルで算出したもので、医療保険制度などの異なる日本は、より高い比率の国民が医療機関を受診する可能性があると指摘されていた。
 厚生労働省の専門家会議は今後、新型インフル発生時の被害想定の見直しに着手する予定。今回の国民意識調査は、その議論にも影響を与えそうだ。



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