20081112 日経MJ(流通新聞)

 外食好きとされてきた米国人の食の風景が変わりつつある。今年の前半まで、1年前より卵やシリアルの小売価格が3割以上も跳ね上がったことがきっかけだ。足元では食のインフレはやや小康状態だが、景気が後退感を強め、所得や雇用への心配から食費を削る傾向はむしろ強まっている。
 そこで注目されるのが、自炊。米国版のお弁当は「ブラウン・バッグ」と呼ばれる。手の込んだものを作る日本式の弁当とは違い、サンドイッチや果物などをプラスチック容器に収めて紙袋に入れるスタイルが一般的だ。昼間のビジネス街でも、広場でブラウン・バッグを広げるシーンが目立つように。一方、1杯3―4ドルは下らないスターバックスのコーヒーが売れにくくなり、家計の変調を映している。
 ソーセージや缶入り肉加工品「スパム」のメーカー、ホーメル・フーズが10月下旬に実施した調査では、回答者の5割強が食費を抑える工夫をし、具体的には「より安い肉を選び、主食は米やジャガイモなど割安なものを多く買うようにしている」と答えた。また、84%が「食品の値上がりが心配」と先行きにも不安感を募らせている。
 米最大の小売業ウォルマート・ストアーズで家庭用品を統括するリンダ・ヘフナー上級副社長は「ここ数年間で米国では家庭で調理し自宅で食べる消費者が増え、代わりに外食とテークアウトは減っている」と話す。店頭では調理機器の販売が勢いづいているほか、半加工の冷凍食品もよく売れている。(ニューヨーク=杉本晶子)





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