20081103 日経MJ(流通新聞)

 がん保険大手のアメリカンファミリー生命保険(アフラック)は八月、同社の販売代理店向けに保険募集チラシの作成支援システムを導入した。指示に従って文書をひな型に当てはめるだけで簡単にチラシを作成することができる。審査が原則不要になったことで業務負荷が大幅に減少したほか、新規チラシの発行が活発になるなどの効果も出始めている。
 医療保険やがん保険の顧客獲得競争は激しくなるばかりだ。保険商品を顧客層に合わせてわかりやすく説明するチラシは重要性を増している。特にダイレクトメールなどで使うA4用紙サイズのチラシはホームページや新聞広告に並ぶ重要な媒体だ。
 アフラックでは通常、全国約一万九千の代理店がこれらチラシを自ら作成して同社に申請してもらう仕組みをとっている。同社は景品表示法や保険業法などに抵触していないか、同社の内部規定に合致しているかをひとつひとつ審査し、正しく記載したチラシだけに発行資格を与えている。
 従来は代理店が紙やパソコンの文書作成ソフトで下書きを書き、これをファクスやメールの添付で送ってもらっていた。申請からチラシ発行に六-七営業日かかることもあり、代理店とアフラックの双方にとって負担になっていた。
 「作成や審査を簡単にできる仕組みを作れないものか」(ツールサポート部の辻田毅副長)。そこで導入したのが募集資材作成支援システム「BOBBY」だ。すでに承認済みの文書やイラストなどの素材を組み合わせて、顧客ターゲットに合ったチラシを作成できる。
 仕組みはこうだ。代理店はインターネット接続したパソコンを通じて、「ビルダ」のコーナーから「がん保険」「医療保険」といった保険商品の種類、「ヤング」「独身」といった顧客層を選択。キャッチコピーやがん・医療などに関する需要喚起の文言、具体的な商品の保険内容など、パソコンのマウス操作で自由に組み合わせてチラシを作成する。
 素材は約百八十種類ありテーマごとに分類されている。すべてアフラックの審査に合格しているため、作成時の審査は原則不要だ。早ければ数分で作成が完了する。代理店が申請後に審査の進ちょく状況を画面上で随時確認できる機能も用意している。
 作成したチラシは代理店間で共有している。代理店がBOBBYを使って作成したチラシのうち、優れているチラシは「ライブラリ」という完成チラシを保存するコーナーに蓄積される。使用したい代理店はこのライブラリから好みのものを選び、一部分を顧客の個人名や企業名、代理店名などに改変して、そのまま発行できる。
 BOBBY導入が早速効果を表している。昨年七-十月に約三千百件あったチラシの審査件数は、今年の同時期は約二千二百件に激減した。一方、審査不要のチラシ発行件数は、約三千三百件だったため結果的に全体のチラシの発行件数は約五千五百件となり、約八割増えた。「業務の効率化と営業の活発化が同時に実現できた」(ツールサポート部の坂本雅部長)と満足げだ。
 現在BOBBYでの制作比率は全体の四割にとどまる。システムの浸透を図り、この比率を早期に引き上げたい考えだ。
(鈴木洋介)
 審査が不要になり本社と代理店双方の業務が効率化。チラシの発行件数が約8割増に


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