20081103 日本経済新聞 朝刊

 債券を発行した国・企業などの安全性を見極めるのと同時に重要なのが、為替リスクだ。円建ての債券に投資する人は関係ないが、外国の債券に投資する場合は注意が必要だ。外債は高利回りの商品も目立ち、購入者は多い。
 外債は購入時に比べて円安が進むと為替差益が発生するが、円高になると差損が発生する。ただ円高が進んでも利息収入で補える。為替レートがいくらになれば、損が発生するのかを押さえておきたい。
 現在販売している豪州国債でシミュレーションしたのがグラフCだ。この債券は価格が上昇しており、額面で一万豪ドル購入しようとすると、一万四四〇豪ドルが必要になる。
 一豪ドル=六五円のときに購入し、満期まで保有したと想定する。満期時も同じ一豪ドル=六五円の場合、七万三千七百八十八円の利益が出た。最終的に受け取れる利子を加味して計算した利回りは年三・一四%だった。
 これが円安が進み、満期時に為替が一豪ドル=七五円になったとしよう。利益は十八万九千八百八十八円で、利回りは年八・一%に上昇した。逆に円高が進むと損失が発生する。この債券の場合は一豪ドル=五八・六五円を割り込むと損失が発生する。
 金融危機で為替相場は大きく変動している。豪ドルの場合、八月上旬に一豪ドル=一〇〇円だったが、十月末には六五円と円高になった。
 ファイナンシャルプランナーの神戸孝氏は「満期時に外貨のまま償還金をいったん受け取って、円安の時に交換する手もある」とアドバイスしている。(藤川衛)


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