20081019 日本経済新聞 朝刊

 損害保険各社が火災保険を大幅に見直すのは一九六〇年代半ば以来、約四十年ぶりだ。抜本改革を怠り、商品を複雑にしたことが保険料の取りすぎにつながった。その再発防止に商品の簡素化が欠かせないのは確かだが、一部の保険料が大幅に上がる可能性がある。業界の対応が後手に回り、結果として消費者にしわ寄せされることになる。(1面参照)
 火災保険は住宅の柱や壁の材質で保険料を決める。新しい素材が次々と登場し、少し見ただけで種類を判別することが難しくなっている。外壁に軽量気泡コンクリートを使った住宅が代表例で、損保会社や保険代理店のプロでも保険料の計算を誤る例が相次いだ。
 今回の見直しでは鉄筋コンクリート造り、鉄骨造り、木造など、不動産取引や納税で使う建物の種類で保険料を決めるようにする。保険料の区分を減らすのも、間違いを防ぐためだ。
 九八年の損害保険料の自由化以降、損保商品は複雑化する一方だった。商品をわかりやすくする流れは今後も続きそうだが、保険料の引き上げをなるべく避ける努力が求められる。


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