20080927 日本経済新聞 朝刊

 米アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)が傘下のAIGスター生命保険、AIGエジソン生命保険を売却する検討に入った。売却が決まれば、金額は数千億円規模とみられる。国内外の生損保大手が争奪戦を繰り広げる可能性が出てきた。保険契約はそのまま引き継がれる見通し。(1面参照)
 AIGはこの売却案をたたき台にリストラ策を決める。両社の買収に高い関心を示すとみられるのは、日本での事業拡大を目指す海外大手生損保。エジソンは旧東邦生命保険、スターは旧千代田生命保険で、いずれも日本の金融危機時に破綻した中堅生保を買収した。破綻時に不採算の逆ざや契約を切ったため、資産内容はよいとされる。
 さらに両社合わせて九千人近い営業職員を抱えており、「国内の営業基盤の弱い海外大手には魅力的」(国内大手生保幹部)との指摘もある。
 海外大手はAIGのアジア事業、日本の生損保事業といった大きなくくりで買収交渉を進める可能性もある。その場合、エジソン、スターもその中に組み込まれる。
 生保子会社を傘下に持つ国内損保大手にも買収利点は小さくない。一九九六年の規制緩和でこぞって生保子会社を設立したが今は頭打ちの状況。営業基盤の拡充が必要と判断し触手を伸ばす損保が出る可能性もある。
 障害となるのは数千億円に及ぶとみられる買収額。すでに営業網を確立している大手生保からは「値段に見合った効果が期待できない」(幹部)との声も出ている。
 AIGエジソン生命保険 一九九九年に破綻した東邦生命保険の経営を引き継いだGEエジソン生命保険を、AIGが二〇〇三年に買収、発足した。〇七年度の総資産は二兆五千九百三十八億円、保険料等収入は四千七十三億円。
 AIGスター生命保険 前身は一九〇四年創業の千代田生命保険。二〇〇〇年に経営破綻し、〇一年にAIG傘下入りし、現社名になった。〇七年度の総資産は一兆七千八百六十九億円、保険料等収入は二千六百六十三億円。社員数は五千四百八十八人。


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