20081002 日本経済新聞 夕刊

 Bさんは五十六歳。定年前に会社を変わり六十三歳まで現在の年収五百万円で働くことができます。妻は専業主婦。資産は一戸建て住宅と車が一台、金融資産は五千九百万円ほどあります。投資をしたいという思いを持ち続けてきましたが、ようやく老後生活も考えたマネー生活へとシフトすることになりました。
 まず、老後生活を前提に家計の支出を年四百万円程度と現在の年収の範囲内に抑えることからスタートします。Bさん夫婦は二人の子供がすでに独立しています。住宅を広く感じており都心に近いところに移りたいと考えています。現在の住居を賃貸に回し、その賃料にてマンションを借りることに。若干の持ち出しになるのですが。
 次に老後の生活に影響を及ぼさない、投資できる資金はいくらになるのか。
 年金が全額支給される六十五歳以降で、年百五十万円ほどの貯蓄の取り崩しがあります。老後の生活資金として三千万円ほど用意することにしました。厚生年金の報酬比例部分の支給しかない時期もありますが、収入の蓄積でカバーしようということに。二人の子供たちに結婚世帯資金として各三百万円で計六百万円残します。
 以上から、五千九百万円から三千六百万円と保険三百万円を差し引き、二千万円が投資資金となります。このうち安全運用と積極運用というように考えることができます。
 実は、Bさんは、親友が新興国への株式投資を十年程前から始めて、かなりの収益を上げていることをうらやましく思っていました。今回の、世界的な経済変動は、ある意味、十年か二十年にあるかないかのビッグチャンスといえるわけです。
 しかし、その結果がわかるのは、実は数カ月後か、また数年後かと、時期はわからないわけです。投資先を分散することにより安全を確保するということはわかるのですが、一方で、集中投資でなければ、大きな収益はあげることはできないという思いもあります。
 まずは、預金の二割程度を日本の株式投資に回すことにしました。老後資金と子供たちへの資金はまとめて国債を選択しています。これらを貸借対照表(BS)と金融資産の構成内訳、投資ポートフォリオにまとめると図のようになります。
 土地、住宅、自動車の資産が三千五百万円(時価評価)、保険が三百万円、負債はなく、純資産は九千四百万円となります。金融資産の内訳は、三千六百万円が国債、四百万円が日本株、預金千六百万円、保険三百万円となります。投資ポートフォリオは二千万円のうち日本株四百万円、預金千六百万円となっています。

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