20081010 日経産業新聞
ヘルシーサービス(千葉市、近藤勝則社長)は一九八五年の設立で介護業界では老舗。創業以来の在宅介護を主力事業に据えるが、グループホームや小規模多機能型施設を使った地元密着のサービスにも取り組む。千葉県を地盤に、高齢者のニーズにきめ細かく対応できる体制を目指す。
力を入れているのが、認知症の高齢者が九人以下の少人数で共同生活を営むグループホームの設置と運営。二〇〇二年二月の「ガーデンコート東金」(千葉県東金市)を皮切りに、「ガーデンコート」の名称で松戸市や我孫子市に拠点を設けたほか、東京湾を挟んだ川崎市にも進出。今年六月に九カ所目となる「ガーデンコート稲毛園生」(千葉市)を開いた。
うち五カ所は小規模多機能型居宅介護施設を備え、入浴やレクリエーション、短期宿泊などの要求に一カ所で応える。〇六年の介護保険法改正に伴う制度化に先立ち、ヘルシーサービスは〇五年から設置を始めた。グループホームに多機能型施設を組み合わせることで、入居者の世話から地域の訪問介護までワンストップで対応できる。
近藤社長はグループホームに力を入れる理由を「当社のような小規模事業者がコツコツ勝負できる」と説明する。グループホームは入居者の自主性を重んじたケアが求められる。規模のメリットを生かせないうえ、運営には特殊なノウハウが必要なため、大手は参入したがらないという。
千葉県を中心に地元密着を長年掲げてきた強みを生かすため、各拠点は半径十キロ圏を事業対象地域に設定。スタッフもその土地で顔見知りが多い地元の人を採用する。
ヘルシーサービスは訪問入浴サービスの受託から事業を始めた。臨床検査会社勤務だった近藤氏は前社長から事業を継承した九〇年以降、在宅介護で業容を広げた。その過程で、家族が自らの生活を犠牲にして介護を続けている現実を知った。それが施設を活用した介護に本格的に取り組むきっかけになった。
県内の不動産会社が建てた複数の高齢者専用賃貸住宅に、九九年から介護事業所を併設しているのもその表れ。事業所の分類上は訪問介護だが、住民は介護サービスをいつでも利用でき、施設介護に近い機能を果たす。こうしたサービスを手がける介護業者は少なくないが、ヘルシーサービスは先駆けと言える。
住宅型有料老人ホームの運営も視野に入れる。要介護度が比較的低い高齢者を対象に、オーダーメードの介護ができる体制を作りたいという。
相次ぐ制度改正や大手の不祥事などで介護業界は揺れている。「地元密着の活動で長年積み上げた経験を今こそ生かしたい」。近藤社長は強調している。
(千葉支局 海野太郎)
【図・写真】近藤勝則社長
【図・写真】グループホームを核にした地域密着型の介護を柱にすえる
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