20080920 日経プラスワン

 「どうせ払うなら、できるだけお得に払いたい」。国民年金や生命保険の保険料、NHKの受信料など、毎月決まって払っている料金の中にはまとめて前納したり、あらかじめ積み立てたりすることで割安になるものがある。家計の「固定費」ともいえるこれらの料金の上手な節約術をまとめた。
 東京都内に住む会社員のAさん(41)は毎年、冬のボーナスをもらうと、次の年に支払う予定の保険料や固定資産税など、出費が事実上固定している分の金額を銀行の別の口座に移す。「月払いよりも年払いの方が割引になるものはまとめ払いする方がお得だし、資金計画も立てやすい」。Aさんはまとめ払いの利点をこう強調する。
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 定期預金などで得る利息収入よりも割引額が多くなるなら、まとめ払いにする方が家計の節約になる。表Aに節約に利用できる主なまとめ払いの方法を挙げた。
 二〇〇八年度の国民年金保険料は一万四千四百十円。口座振替にして一年度分をまとめて前納すれば、約二・一%の割引になる。〇八年三月分の保険料からクレジットカードでの支払いも可能になったため、カード払いにすればクレジットカードのポイントも同時にたまる。
 生命保険料の支払い方法には月払い、半年払い、年払いのほか、何年分かの保険料をまとめて払う方法がある。長い期間まとめて前納する方が割引率が高くなるのが一般的だ。年末調整や確定申告の際の生命保険料控除の取り扱いについては、何年分かを前納しても、毎年、一年分を払ったとみなされて、所得控除の対象になる。例えば、三年分を前納した場合、毎年、前納額の三分の一ずつが控除の対象になる。
 死亡保険では何年分か前納した後に期間途中で死亡した場合、払込期日が来ていない分の保険料は払い戻される。
 また、保険料の年払いは通常、年数をまとめるほど割引率が高くなる。例えば、子供二人の学資保険の保険料を払う場合「毎年一年払いを二人分するよりも、毎年一人ずつ交互に二年分を払った方がお得だ」(ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん)。
 国民健康保険料(税)や固定資産税・都市計画税などについては、一年度分を前納すると割引がある「前納報奨金制度」を実施する自治体が多かったが、現在では一部の自治体に限られている。特に国民健康保険料については、〇八年度から年金受給者の一部で年金からの天引きが始まり、前納したくてもできない人が出てきた。実施している一部の自治体では、口座振替で前納することにより、二%程度割引になる。
 独立行政法人・都市再生機構(UR)の賃貸物件は、一年間から十年間までの家賃が年単位で前払いできる。割引率は前払いの契約月によって異なり、〇八年九月契約の一年間の割引率は〇・九八五%、五年間は一・〇六三%。ただ、一度契約すると、割引率は固定されるので注意が必要だ。長期間分の家賃を前払いした後に預金金利が割引率を上回って上昇した場合、結果的には預金をしておいて毎月、家賃を払う方が有利という場合もあるからだ。
 表Bには、あらかじめ支出が決まっている料金を計画的に準備することによって安くする方法を挙げた。
 旅行代金を準備する方法としては、毎月一定額を積み立てる「旅行積み立て」が一般的だが、お金に余裕がある時だけ積み立てたいという人には自由に出し入れできるサービスが便利。JTBの「たびたびバンク」のフリープランは預ける金額や期間を自由に選べ、年利換算で一・五%のサービス額が付く。
 納税準備預金は主に自営業の人が消費税の支払いなどに充てるために利用するが、誰でも口座を開設できる。ただし、引き出しは原則、納税する場合に限られる。通常の預金は利息の二〇%が源泉徴収されるが、納税準備預金は無税。サラリーマンでも固定資産税など、ある程度まとまった額の納税額を準備するのに使えば、節約に利用できる。
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 畠中さんは「まとめ払いなどを利用することによって、年間単位で家計の収支を把握できるようになる」と効用を指摘する。家計の管理を効率的・計画的に行うためにも、料金のまとめ払いや事前準備を上手に利用しよう。
(手塚愛実)
【図・写真】保険料のまとめ払いは期間が長いほど割引率が高くなるのが一般的

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