20080919 日本経済新聞 朝刊
組み入れ100本超す 「貯蓄から投資」に逆風
米国の金融危機が日本の家計を直撃している。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻や、米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的救済を受けて、世界的に株式相場が低迷。「貯蓄から投資へ」の流れは一時的に停滞しそうだ。株式や投資信託などへの投資だけでなく、住宅ローンなど個人生活の幅広い分野に米金融危機の影響は及ぶ見通し。物価高を受け実質的な所得が圧迫されるなか、家計は一段と厳しさを増すことも予想される。
経営破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズや、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の関連証券を組み入れた投資信託で、基準価格が下落したり、新規の購入や解約を停止したりする動きが広がっている。
大和証券投資信託委託は十八日、「ダイワ/ブラックロック 資源エネルギーファンド」の新規購入と解約の申し込み受け付けを当面、停止すると発表した。
この投信はAIGの関連会社が発行する指数連動債券を約二〇%組み入れている。指数連動債は商品指数などの値動きに償還価格や利率が連動するように設計した債券。発行体(AIG)が財政難や経営不振に陥った場合、決められた条件で償還金や利息を支払えなくなるリスクがある。
AIGが米政府の管理下に入り信用リスクが変動し、債券価格が提示できなくなった。このためAIGの債券を組み入れた投信も基準価格の算出ができなくなった。
AIG関連の指数連動債はコモディティ(商品)投信などに多く組み入れている。大手運用会社のうち、野村アセットマネジメント、岡三アセットマネジメントは三本、中央三井アセットマネジメントと住信アセットマネジメントはそれぞれ一本の投信の新規購入と解約の申し込み受け付けを停止。「受け付けを再開する時期は未定」(岡三アセットなど)という。
AIG関連の指数連動債を組み入れた投信の純資産残高は、五社九本合計で約三百三十億円。解約の停止で投信を保有している投資家は当面、換金ができなくなる。
一方、リーマンの株式や債券を組み入れた公募投信は、大手運用会社だけで百本を超える。組み入れ比率は一%未満の投信が多い。三井住友アセットマネジメントの「USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)」がリーマンの債券を二・七七%保有するなど、組み入れ比率が比較的高いファンドもある。
債券価格が下落したり、デフォルト(債務不履行)したりすると、基準価格の下落という形で影響が出る。単純に図式化すると、例えばリーマンの債券を二%組み入れている投信の場合、リーマン債がデフォルトすると、一万円の基準価格が九千八百円に下落する要因になる。
米金融危機が世界に波及し、ロシア株に投資する投信にも影響が出ている。新生インベストメント・マネジメントは十八日、前日に受け付けた「新生・トロイカ ロシアファンド」の新規購入と解約の申し込みを取り消した。ロシアの株式市場が十七日に取引を一時停止したためだ。「市場取引が再開すれば、購入・解約できる」という。
組み入れ100本超す 「貯蓄から投資」に逆風
米国の金融危機が日本の家計を直撃している。米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻や、米保険最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の公的救済を受けて、世界的に株式相場が低迷。「貯蓄から投資へ」の流れは一時的に停滞しそうだ。株式や投資信託などへの投資だけでなく、住宅ローンなど個人生活の幅広い分野に米金融危機の影響は及ぶ見通し。物価高を受け実質的な所得が圧迫されるなか、家計は一段と厳しさを増すことも予想される。
経営破綻した米証券大手リーマン・ブラザーズや、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の関連証券を組み入れた投資信託で、基準価格が下落したり、新規の購入や解約を停止したりする動きが広がっている。
大和証券投資信託委託は十八日、「ダイワ/ブラックロック 資源エネルギーファンド」の新規購入と解約の申し込み受け付けを当面、停止すると発表した。
この投信はAIGの関連会社が発行する指数連動債券を約二〇%組み入れている。指数連動債は商品指数などの値動きに償還価格や利率が連動するように設計した債券。発行体(AIG)が財政難や経営不振に陥った場合、決められた条件で償還金や利息を支払えなくなるリスクがある。
AIGが米政府の管理下に入り信用リスクが変動し、債券価格が提示できなくなった。このためAIGの債券を組み入れた投信も基準価格の算出ができなくなった。
AIG関連の指数連動債はコモディティ(商品)投信などに多く組み入れている。大手運用会社のうち、野村アセットマネジメント、岡三アセットマネジメントは三本、中央三井アセットマネジメントと住信アセットマネジメントはそれぞれ一本の投信の新規購入と解約の申し込み受け付けを停止。「受け付けを再開する時期は未定」(岡三アセットなど)という。
AIG関連の指数連動債を組み入れた投信の純資産残高は、五社九本合計で約三百三十億円。解約の停止で投信を保有している投資家は当面、換金ができなくなる。
一方、リーマンの株式や債券を組み入れた公募投信は、大手運用会社だけで百本を超える。組み入れ比率は一%未満の投信が多い。三井住友アセットマネジメントの「USボンドオープン(為替ノーヘッジ型)」がリーマンの債券を二・七七%保有するなど、組み入れ比率が比較的高いファンドもある。
債券価格が下落したり、デフォルト(債務不履行)したりすると、基準価格の下落という形で影響が出る。単純に図式化すると、例えばリーマンの債券を二%組み入れている投信の場合、リーマン債がデフォルトすると、一万円の基準価格が九千八百円に下落する要因になる。
米金融危機が世界に波及し、ロシア株に投資する投信にも影響が出ている。新生インベストメント・マネジメントは十八日、前日に受け付けた「新生・トロイカ ロシアファンド」の新規購入と解約の申し込みを取り消した。ロシアの株式市場が十七日に取引を一時停止したためだ。「市場取引が再開すれば、購入・解約できる」という。
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