20080917 日本経済新聞 夕刊
米連邦準備理事会(FRB)が保険最大手、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)の救済に踏み切ったのは、同社の資産規模や取引金融機関などがあまりに膨大で、破綻すれば世界的な金融恐慌につながる恐れがあったためだ。ただ救済を拒否した結果、破綻した証券大手リーマン・ブラザーズとの違いは不明確。当局のダブルスタンダード(二重基準)への批判が強まる可能性がある。
米メディアによると、ポールソン米財務長官とバーナンキFRB議長は十六日夕、民間金融機関の公的支援に批判的な議会有力者らを訪ね「AIGが破綻すれば大惨事になる」と説明、FRBの緊急融資に理解を求めた。
同長官は前日の記者会見で「モラルハザード(倫理の欠如)を軽視できない」として、公的資金による個別金融機関の救済に極めて慎重な姿勢を示したばかり。FRBもAIGからの融資要請をいったんは突き放した。
最終的に公的支援を選択したのは、民間主導でのAIG支援が不調に終わり、実際にAIGの破綻が現実味を増し、世界経済の「破局」の可能性が高まったからだ。
AIGは、住宅ローンの証券化商品の元利払いを保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)と呼ばれる金融商品を世界の金融機関に販売している。当局は複雑な金融取引の元締のAIGが破綻すれば金融市場が大混乱に陥る危険があると判断したもようだ。
(ワシントン=米山雄介)
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