20080916 日本経済新聞 夕刊
日銀が十六日発表した二〇〇八年六月末の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産残高は前年同期より四・三%減り、千五百三兆七千七百十六億円となった。株価下落で個人が持つ株式の評価額が目減りしたことが響いた。一方、現金・預金は緩やかに増加しており、個人マネーが安全志向を強めている姿勢も浮き彫りになった。
資金循環統計は家計や企業、政府部門などのお金の流れや保有残高を分析する統計。減少幅は比較可能な一九八〇年度以降で、最大となった。
項目別にみると、株式(出資金を含む)の残高は百四十三兆四千四百八十二億円となり、前年同期に比べ三〇・三%減。米金融不安や日本の事実上の景気後退入りを受け六月末の日経平均株価が前年同期に比べ二六%下がったことが響いた。投資信託も同一〇・五%減で、〇二年十二月末以来の減少幅を記録した。
現預金は同〇・九%増の七百八十四兆二千三百四十九億円。このうち定期性預金は同一・一%増で、八年ぶりの高い伸びとなった。このほか外貨預金は二ケタの伸びを記録し、対外証券投資は過去最高を更新した。
第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「個人マネーが行き場を失っている様子がより鮮明になった」と指摘。四半期ベースでは三月末に、〇五年九月末以来の千五百兆円割れとなったが、六月末は夏のボーナス支給もあり千五百兆円の大台を回復した。
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