20080907 日本経済新聞 朝刊
西濃運輸(岐阜県大垣市)などセイノーホールディングスのグループ会社の従業員が加入する健康保険組合が解散していたことが明らかになった。4月の高齢者医療制度改革に伴う負担増が原因だ。同様の負担に苦しむ組合は多く、組合の数の減少傾向が続く可能性がある。
健康保険組合連合会(東京・港)によると、健保組合は2008年4月1日時点で1502組合で、00年3月末時点と比べて16%減った。健保組合は加入する組合員(保険料を支払う被保険者とその扶養家族)の医療費以外に、健保を脱退した社員OBや75歳以上の医療保険も一部負担してきた。このため、高齢化の進展で収支が悪化し、解散する組合が相次いでいる。企業の合併に伴い、組合の統合が増えたことも減少の原因になっている。
一方、組合員数は08年4月1日時点で3050万人と3年連続増。直近の底だった05年3月末から3%増えた。企業はパートやアルバイトのうち常勤雇用に近い人を健保の対象にすることが義務付けられている。「企業は景気の変動に応じて非正規雇用者の数を増減する傾向がある。景気回復でパートなどの雇用が増え、組合員数の増加につながったのではないか」(健康保険組合連合会)
だが組合員数の増加が今後も続くかどうかは不透明だ。4月の高齢者医療制度改革で、65―74歳の加入比率が高い国民健康保険に健保が納付金を出す仕組みが導入された。東京医科歯科大学の川渕孝一教授は「制度改革で健保の収支悪化が加速しており、今後も解散する組合が相次ぐ可能性がある。景気減速で組合員数は伸び悩む懸念がある」と指摘している。