20080903 日本経済新聞 朝刊

 厚生労働行政は課題山積だ。福田首相が七月に打ち出した社会保障分野の「五つの安心プラン」には医師不足などの対策が緊急に取り組むべき課題として盛り込まれた。
 だが首相や厚生労働相が変われば、政策の優先順位が変わる可能性がある。同省幹部は「予算獲得が心配」と漏らす。
 来年度は介護報酬改定の時期にあたる。舛添要一厚労相は介護保険事業者に支払う介護報酬の引き上げを検討しており、有識者会議の「安心と希望の介護ビジョン」で介護保険制度の見直しについて年内に提言をまとめる予定だった。意思決定のスピードが遅くなることは避けられない。
 国民の不信を招いた厚労省自体の改革にも暗雲が漂う。
 政府の「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」(座長・奥田碩トヨタ自動車取締役相談役)は年内に方向性を出すはずだったが、次回会合のめどさえ立たない状況だ。


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