20080830 日経プラスワン
ガソリンの店頭価格は全国平均で一リットル百八十円台。来月にかけては少し下がりそうだが、まだ三年前の約一・五倍の水準だ。マイカー利用が欠かせない人に有効とされるのが、ガソリン消費を抑える省エネ運転術「エコドライブ」。節約できる金額を試算するとともに、役立つ情報源をまとめた。
「エコドライブの省エネ効果について、漠然と五%くらいかと思っている人が多いが、教習会を受けた人の燃費向上率は平均で二四%にのぼる」(省エネルギーセンターの谷口正明エコドライブ推進部長)。「自分はそこそこエコ運転をしている」というつもりでも、基本の技術を総合的におさえれば、さらに節約できるかもしれない。
発進、走行、減速、停止の四項目について、年間走行距離一万キロメートル、平均燃費一リットルあたり十一・六キロメートルの乗用車に乗る人を例に、エコ運転がどれだけ財布に優しいか見てみよう(表A)。年間に削減できる燃料消費量は、省エネセンターが運転コンテストで計測したデータから算出したものを使用。ガソリン価格は一リットル百八十円として、年いくら節約できるかを試算した。
¥ ¥
まず発進。急発進でなくてもアクセルを強く踏みすぎている人が多く、燃料を浪費している。普段よりふんわりとアクセルを踏み込み徐々に加速すると燃費が良くなる。これで年八十三リットル強の燃料を減らせるので、一万五千円強の節約だ。走行時は加減速を繰り返すと燃費が悪くなる。車間距離の詰めすぎは速度のムラを生じやすくするので、走りたい気持ちを少し抑えよう。これで三十リットル弱、約五千三百円を節約できる。
減速する時は早めにアクセルから足を離す。アクセルを離し惰性で走ると少ない燃料で走れるエンジンブレーキで減速し、年十八リットル強のガソリンを節約できる。節約効果は年三千三百円弱にのぼる。
アイドリングはどうだろう。市街地では運転中の四割近くが信号待ちで停止している時間。徹底してエンジンを止めれば年九十リットル以上の燃料を減らせ、一万六千円強節約できるが「そこまでできない」という人もいるだろう。
では往復三十キロメートル走ると仮定し、人や荷物の積み降ろしの際の二分間ずつだけエンジンを止めたらどうか。四分間の停止で年十七・三三リットル、約三千百円の節約になる。
発進・走行・減速でエコ運転を実践し、往復四分間のエンジン停止を実行した場合、年間約二万七千円の節約になる。走行距離が一万キロメートルより長ければ、当然さらに効果は大きくなる。節約アドバイザー、和田由貴さんは三年ほど前にエコ運転の節約効果を実感し、今も実践中だ。指導員の指示に基づいて自宅近所を十分程度運転したところ、エコ運転の方が普段の運転よりもガソリンの消費量が四百ミリリットルも減ったからだ。
谷口氏は、エコ運転を意識するには三つの「五」を覚えてほしいという。発進の際は「最初の五秒間」で時速二十キロメートル程度に到達すれば良い。走行時は普段よりも「時速五キロメートル落とす」と五%程度燃費が改善する。「五秒以上止まる時」にはエンジンを切った方が省エネ効果が上がる。
¥ ¥
エコ運転の支援サービスや情報源も増えてきた。例えば日産自動車の情報サービス「カーウイングス」。瞬間ごとの燃費表示を確認しながら走れるほか、会員になれば同じ車種と比べた自分のエコ運転度合いがカーナビゲーション画面にランキングされる。「タイヤの空気圧を点検しましょう」などのエコ助言も受けられる。
「燃費表示だけだと次第に飽きてしまう人もいるので、エコ運転を楽しく維持するための仕組みにした」(技術開発本部の土井三浩テクノロジーマーケティング室長)。エコ助言を活用した人の平均燃費改善率は一八%。カーウイングスの会費は三年間無料で、エコ運転情報だけの利用なら四年目以降も無料だ。
また、最近は燃費の良い走り方をしているとランプが点灯して教えてくれる機能がある車も多く、エコ運転の頼もしい味方になりそうだ。
基本のエコ運転術をふまえてさらに省エネを目指すなら、インターネットサイト(表B)が役に立つ。例えば「燃費.biz」ではエンジンオイルなど、メンテナンスの重要性と燃費の関係を解説している。「ReCoo(レクー)」や「燃費王」などのサイトでは、登録をすると会員同士で燃費ランキングを競うこともできる。(岩崎珠実)
【図・写真】日産の車載情報サービスでは、エコ運転度合いが「金」「銀」などとランキング表示される
------------------------------------------------