8月28日15時37分配信 産経新聞
出産前のマタニティーブルーや産後の鬱(うつ)に陥っている妊産婦をサポートするため、厚生労働省は精神科の医師や助産師を配置した宿泊型の「ケアセンター」(仮称)を来年度から全国数カ所に設立することを決めた。少子化対策の一環で、心身が不安定になりがちな産前産後の母親に地域の受け皿を提供し、安心して産み育ててもらうのが狙い。産後鬱を原因とする育児放棄や虐待の防止にもつなげる考えだ。
厚労省の構想によると、入院の必要がない程度に心身の不調を訴える母親や、出産前後に近親者の協力がなく、孤立する可能性が高い妊婦らが対象。乳児が問題を抱える場合も、母親の不調や虐待を引き起こすケースがあるため対象に含める。
入所期間は約1週間。低料金で医師らのカウンセリングのほか、母親が悩むことの多い授乳や入浴指導などが受けられる。本人の希望以外に、乳児健診などで自治体が必要と判断した場合も入所できる。
センターの数や利用料など詳細は今後詰めるが、当面は既存の病院への併設となる見通し。設置や運営に必要な費用の2分の1を国が補助、残りを都道府県が負担する。全国に先駆け、4月から同様の事業を実施している東京都世田谷区の場合、利用料金は食事とケア付き1泊2日が5600円、日帰りは1600円という。
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【用語解説】産後鬱
無事に出産したのに、涙ぐむ、気分が沈むなどの抑鬱(よくうつ)感や疲労感があり、育児や家事に支障をきたすようになる。多くの場合、出産後2週間から数カ月以内に発症し、数年の経過をたどる。衝動的に自殺したり、攻撃的になって子供を虐待したりするケースもある。
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