厚生労働省が、在宅死の割合を4割にする目標を示していることについて、長崎県保険医協会が実施した高齢者意識調査では、「最期まで自宅で療養したい」と答えた人が1割強にとどまっていることが明らかになった。また、看取りの場所として、厚労省が自宅を勧める中、「自宅では無理」とする人が半数近くに上っており、厚労省の目標と現実には、大きな乖離(かいり)があることも分かった。
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厚労省は2004年にまとめた終末期医療に関する報告書で、「自宅を希望している国民が約6割」と発表し、「患者の意思を尊重した適切な終末期医療を提供する」として、25年までに在宅死の割合を現在の2割から4割に引き上げる目標を示している。
同協会は、県内の高齢者を対象に脳血管疾患の終末期医療について調査を実施。635人から回答があった。
その結果、自宅などで療養中に重症の病気になり、回復する可能性が50%と宣告された場合、どこで療養したいかについては、「病院」が57.2%、「介護施設」が16.1%で、「自宅」は14.2%にとどまった。
「病院」と答えた人に、その理由を複数回答で尋ねたところ、「回復する可能性があるなら、きちんと治療を受けたい」が49.9%で最も多く、「家族に迷惑を掛けたくない」が43.0%、「自宅や介護施設での治療には不安がある」が29.5%、「介護してくれる人が高齢化して大変だから」が23.1%と続いた。
また、入院中、退院を勧められたときに希望する療養場所については、「別のリハビリのできる病院」が30.6%、「リハビリはできないが、長期療養できる病院」が23.3%と、計53.9%が他の病院への転院を望んだ。「介護施設」は20.9%で、「自宅」は16.1%だった。
「自宅」と答えた人に、現在、その条件が整っているかどうかを尋ねたところ、「可能だと思うが、不安がある」が45.1%、「現在は条件がない」が32.3%、「十分療養できる」が19.6%だった。
一方、家族が自宅で看取ってくれるかについては、「無理と思う」が48.3%と半数近くに上り、「看取ってくれると思う」は19.4%にとどまった。
更新:2008/08/26 17:19 キャリアブレイン
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