20080826 日本経済新聞 朝刊
金融庁が月内に財務省に提出する二〇〇九年度税制改正要望案の全容が判明した。焦点の証券優遇税制は小口投資家を対象に十年間、上場株式の配当金を無税(現行は一〇%)にするよう要望する。対象となる投資額を年百万円までと例示。十年の期間中の投資額を累積し、合計一千万円までの無税化を明記した。高齢者投資非課税制度は〇九年から少なくとも二年間、導入するよう求める。
金融庁は小口投資家の優遇税制について、英国で導入されている「ISA(個人貯蓄口座)制度」を参考に日本版を創設するよう求める。ISAは年七千二百ポンド(約百四十五万円)までの投資や預金に対し、配当・譲渡益や利子を無税とする制度。金融庁では日本版の導入で対象期間を十年間とし、短期売買を抑制する一方で長期保有の促進を狙う。
高齢者投資非課税制度は株式、投資信託について五百万円以下の譲渡益、百万円以下の配当金にかかる税金をゼロにする措置。「第二の年金」と位置づけ、株式などへの投資を促す。
株式の譲渡益、配当の税率は〇三年から本則(二〇%)の半分の一〇%に軽減している。〇九年から二年間は譲渡益で五百万円以下、配当は百万円以下に限って一〇%の軽減税率を適用する。金融庁は高齢者以外の投資家に対し、この軽減措置を存続させることを前提に要望案を作成した。
茂木敏充金融相は二十五日に都内の外国特派員協会で講演し、小口投資家や高齢者向けの投資非課税制度の創設を表明。「日本の場合、株式や投信の投資家は七割までが年収五百万円以下。小口投資家の育成につながる」と述べ、証券優遇税制の拡充を巡って一部にある「金持ち優遇批判」に反論した。
【図・写真】講演する茂木金融相(25日、都内)
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