20080824 日本経済新聞 朝刊
国土交通省は二〇〇九年度の税制改正要望に地方都市の中心市街地を再生するための「都市環境改善促進税制」の新設を盛り込む方針を固めた。放置された不動産を買い取り、建て替えなどで価値を高めて売却する地元企業などをあらかじめ認定。取引ごとにかかる土地売買に必要な税金を軽減する。中心市街地に人や施設が集まる「コンパクトシティー」づくりにつなげ活性化をめざす。(コンパクトシティーは3面「きょうのことば」参照)
新制度で想定するのは駅前スーパーの跡地や虫食い、土壌汚染などで現状のままでは活用が難しい遊休地などを対象にした事業。土地の再生を目指す地元企業や、地域の金融機関を中心に立ち上げたファンドなどあらかじめ認定した事業者に登録免許税や不動産取得税を軽減するなどして後押しする。
「土地転がし」のように転売益を目当てにした行為を防ぐため、認定の際に事業計画を提出させて審査する。
地元企業と土地を交換するなど都市再生に協力的な地権者も税の軽減が受けられるようにする。既存の補助金制度を拡充し、地元企業などに資金面での支援ができるようにすることも検討する。
支援対象数や減税規模など具体的な内容は年末にかけて財務省と折衝して詰める。国交省は早ければ〇九年度にも始めたい考えだ。ただ財務省は慎重に検討する構え。
多くの地方都市では郊外への大型商業施設の出店などで中心市街地が衰退し、放置された不動産も多い。国交省はこうした不動産が中心市街地のゴーストタウン化を招き活性化を妨げているとして、不動産の売買を促すことが必要と判断した。
歩行者が歩きやすいデッキや緑地を設けるなど、街の魅力を高めようと努力する地元住民や企業を支援するための新しい仕組みも要望する。市街地整備を行う公益法人を市町村長が指定。同法人に土地を売却する人や企業には所得税や住民税、法人税などを軽減する。
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