20080823 日本経済新聞 朝刊

 金融庁が月内にも財務省に提出する二〇〇九年度の税制改正要望案が二十二日分かった。焦点の証券税制は高齢者の株式投資を対象に、五百万円以下の譲渡益と、百万円以下の配当金にかかる税金(現行一〇%)をゼロにするよう要望する方向だ。原則的にすべての個人投資家を対象に、投資額で百万円までの配当を非課税とすることも求める。個人金融資産が潤沢な高齢者を中心に手厚い優遇措置を講じ、東京市場の活性化を促す。(解説4面に)
 株の譲渡益と配当の税率は〇三年から本則(二〇%)の半分の一〇%に軽減している。〇九年から二年間は譲渡益で五百万円以下、配当は百万円以下に限って一〇%の軽減税率を適用。超える分は二〇%の税率を適用することが決まっている。
 金融庁は〇九年からの優遇措置に加えて、高齢者や小口投資家を対象に証券優遇税制の拡充を求める。高齢者の優遇措置については少なくとも〇九年から二年間、続けるよう求める考え。具体的に何歳以上を「高齢者」とするかといった点は財務省などと調整する。
 自民党の麻生太郎幹事長は三百万円までの株式投資から得る配当を非課税にする案を提唱している。金融庁は高齢者の優遇措置を「百万円までの配当金」に拡充、一般投資家は年間百万円までの投資から得る配当について、非課税措置を要望する。高齢者の株式譲渡益を五百万円まで非課税にすることと合わせ、事実上の「証券マル優制度」を創設したい考えだ。
 保険料控除制度も抜本的な改正を要望する。「生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」を一本化したうえで、控除の総額を所得税で十五万円(現行十万円)に引き上げるよう要請する。
 海外投資家が日本国内のファンドに投資する場合に、居住国と日本で二重課税される問題も解消するよう求める。




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