20080823 日経プラスワン

 平日の午後六時以降や土日にATMで預金を引き出し、時間外手数料を負担した人は多いだろう。大手銀行では取引を自行に集中すれば、ATMの引き出し手数料を終日無料にしたり、振込手数料などを安くしたりする優遇サービスを提供している。大手各行の優遇サービスの内容と適用条件をまとめた。
 メガバンク(みずほ、三井住友、三菱東京UFJの三行)では優遇サービスを利用しない場合、引き出し手数料がかからない時間帯は平日の昼間(午前八時四十五分―午後六時)に限られる。三井住友(am/pm設置のATMを含む)は毎月二十五、二十六日(平日の場合)に限って終日無料にしている。一方、新生、りそな両行は誰でも引き出し手数料が終日無料だ。
 メガバンクはいずれも独自の優遇サービスを展開している。適用条件を満たせば自行のATMだけでなく、コンビニ設置のATMで引き出す場合も手数料が終日無料になる。三行とも無料となるコンビニATMはセブンイレブン、ローソンおよびイーネット設置のATM。イーネットとは複数のコンビニチェーンのATMを運営する会社で、ファミリーマート、ミニストップなどに設置している。
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 ただ、適用条件は銀行ごとに異なっているので、注意が必要だ。原則として適用条件を満たしているかどうかは毎月、判定が行われる。ある月に条件を満たせば、翌々月の手数料が優遇される。
 みずほと三井住友は数種類ある条件のうち一つでも満たせば、手数料割引の対象となる。ともに預金などの預かり資産残高が一定金額以上(みずほは五十万円以上、三井住友は三十万円以上)、特定のクレジットカードの利用、住宅ローンの利用などを条件にしている。預かり残高には外貨預金や投資信託も含み、月末時点の時価で評価する。
 給料または年金の受取口座を開設していても、それだけでは対象とならない。みずほは公共料金の口座振替(積立定期預金もしくは財形預金でも可)、三井住友は積み立ての利用と組み合わせる必要がある。三井住友では、紙の通帳を発行しない「Web(ウェブ)通帳」を利用している場合も対象となる。
 振込手数料も安くなる。みずほは自行の他店舗あてが無料、他行の口座あてが百五円引きとなる(窓口での振込を除く)。三井住友はインターネットバンキング・モバイルバンキングでの自行の他店舗あてが無料となる。
 一方、三菱東京UFJは取引状況に応じ、優遇サービスを五段階に分けている。みずほ、三井住友と違って条件を満たさないと、口座手数料が月三百十五円かかる。口座手数料が発生しないようにするには、運用資産残高十万円以上、一部クレジットカードの引き落とし、カードローンなどの利用のいずれかの条件を満たす必要がある。
 自行ATMの引き出し手数料は、口座手数料が無料となる場合と同じ条件で終日無料となる。コンビニATMの引き出し手数料を終日無料とするには、もう一つ上の段階の条件を満たさなければならない。
 このほか、みずほと三井住友は取引の状況に応じてポイントがたまるシステムを設けている。たまったポイントを使って、手数料の割引や預金金利の上乗せなどのサービスを受けられる。三井住友と三菱東京UFJは優遇サービスの利用者に対して普通預金の金利を優遇している。
 メガバンク以外では、新生銀行が「新生プラチナサービス」を展開。住宅ローンの利用、資産運用商品の残高三百万円以上、預かり資産残高二千万円以上のいずれかの条件を満たす顧客が対象だ。
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 インターネットバンキングでの他行の口座あて振込手数料が月十回まで無料になるほか、海外送金手数料(通常四千円)が月一回無料になる。社外のファイナンシャルプランナー(FP)への初回の相談費用を同行が全額負担するサービスもある。
 これに対し、りそなはメガバンクや新生のような優遇サービスを実施していない。「原則としてATM手数料や振込手数料はすべての利用者に対して同一にしたうえで、取引状況に応じてポイントの形で個々に還元した方が公平と考える」と説明している。
(編集委員 山口雅司)
【図・写真】優遇条件は銀行ごとに異なる



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