政府は7月29日、社会保障の機能強化のために実施する緊急対策(「5つの安心プラン」)を公表した。医療関係では、医師養成数を抑制していたこれまでの方針からの転換を明記。過去最大程度にまで増員するための具体策を年度内に検討する。また、勤務医や看護師が長時間勤務しなくても済むよう、短時間正規雇用や交代勤務制を導入する医療機関への財政支援も検討する。このほか、病状に応じて受診先を振り分ける「管制塔」的な役割を果たす医療機関の整備も目指す。来年度から新たに実施する施策について必要経費を8月の予算概算要求に反映させるほか、法整備を含めた制度の見直しも検討する。
5つの安心プランは、▽高齢者が活力を持って、安心して暮らせる社会 ▽健康に心配があれば、誰もが医療を受けられる社会 ▽未来を担う「子どもたち」を守り育てる社会 ▽派遣やパートなどで働く人が将来に希望を持てる社会 ▽厚生労働行政に対する信頼回復―の項目ごとに、これらを実現させるために緊急に講じる必要がある対策と実施工程を示した。
高齢者が安心して暮らせる社会づくりのための施策には、介護労働者の人材確保や、福祉・介護サービス分野への新規従事者の定着促進などを挙げた。来年度の予算概算要求に経費を盛り込む。また、サービス提供体制の改革や人材確保を図るために適切な報酬を来年度の介護報酬改定で設定する。
一方、誰もが医療を受けられる社会づくりでは、▽短時間正規雇用や交代勤務制を導入する医療機関への財政支援 ▽管制塔の役割を担う医療機関の整備 ▽業務負担が特に多い休日・夜間の救急に従事する勤務医への支援―などの施策を列挙。また、勤務医が本来の業務に専念できるよう、メディカルクラークの普及や看護師との役割分担にも取り組む。必要な経費を概算要求に反映させるとともに、地域医療の確保などに向けた診療報酬体系について来年度中に検討するとしている。
医師の養成数では、過去最大程度にまで増員させる方針を明記。そのための具体策を年度内に固める。同時に、実習環境や指導体制など医学教育環境の整備のための経費を予算概算要求に反映させる。
このほか厚生労働行政への信頼回復については、有識者や大臣が参加する懇談会で改善策を議論する。懇談会で議論した内容は、最終報告を待たずに業務改善など具体的な動きにその都度反映し、早期の信頼回復につなげる。
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