20080818 日経産業新聞
改正建築基準法の影響で建築確認業務が停滞し、二〇〇七年度の住宅着工戸数は大幅に落ち込んだ。市場全体が縮小するなかで、プレハブ住宅を主力とする大手各社のシェアが軒並み上昇。プレハブ住宅は確認審査を簡素化でき、法改正の影響が他工法に比べ軽微なためだ。プレハブ以外では、タマホームが低価格を武器に初めて五位に食い込んだ。
シェアの分母は国土交通省がまとめた戸建て住宅着工戸数の統計をもとにした。〇七年度の着工戸数は前年度比一二%減の四十三万二千九百六十六戸。改正建築基準法の影響はまずマンションの建築確認の停滞という形で顕在化したが、戸建て住宅にも影響は広がった。
こうしたなか積水ハウスと大和ハウス工業のプレハブ大手二社はそれぞれシェアを〇・二ポイントずつ伸ばし、一、二位の座を守った。両社とも建売住宅の不振で販売戸数は前年度を下回ったが、注文住宅の減少が比較的小さくシェアを下支えした。
プレハブ住宅は国交相から「型式適合認定」を受ければ建築確認時の審査を簡略化できる。「法改正の影響が比較的小さく、シェアを伸ばせた」(大和ハウス工業の樋口武男会長)という。
三位のミサワホームもシェアを〇・二ポイント伸ばし、前年度から順位を二つ上げた。プレハブのなかでも価格を抑えた新商品「スマートスタイル・オー」が好調だった。
景気の先行き不透明感や住宅ローンの貸出金利の上昇で、住宅取得を考える消費者は価格に敏感になっている。低価格の木造軸組住宅を手掛けるタマホームはこうした消費者の需要の取り込みに成功。販売戸数を前年度比二五%増やしてシェアを急上昇させ、四位の積水化学工業に〇・一ポイント差まで迫った。
一方、前年度の四位から六位以下に転落した旭化成ホームズは、ニチアスの耐火建材の性能偽装問題で建設中の住宅の工事やり直しを迫られ、年度内に完成予定だった物件の引き渡しが遅れたことなどが響いた。
〇八年度は改正建築基準法による市場の混乱が収束に向かうとみられている。ただ前半の受注状況は好転せず、住宅需要の低迷が続いているもよう。価格を抑えながら、他社との違いをどう訴えるかが、今年度のシェア浮沈を決める要因になりそうだ。
------------------------------------------------