20080805 日本経済新聞 地方経済面

 道内金融機関の住宅ローンの獲得競争が激化している。今年に入り、東京スター銀行、スルガ銀行、イオン銀行など個人向け融資が専門の新興勢力が相次ぎ札幌市内に出店。これに対し、道内の地銀や信用金庫は地元住宅メーカーとの関係強化や新商品開発で対抗する。景況感の悪化で新設住宅着工戸数が前年割れを続けるなか、融資獲得に知恵を絞る。
 イオン銀行は二日、札幌市東区のイオン苗穂ショッピングセンター(SC)内に道内一号店を開いた。他の金融機関と大きく異なるのは営業時間。原則年中無休、午前九時から午後九時までの営業で、通常は来店しにくいサラリーマンなどが相談しやすくした。
 住宅ローンを借り入れると、イオングループが発行する電子マネー「WAON」(ワオン)をプレゼントするキャンペーンなど、グループ一体の営業を推進する。年度内にあと二店程度を札幌市内で開店する計画だ。
 ゆうちょ銀行と提携関係にあるスルガ銀行は五月、札幌市内に支店を開設。独身女性向け住宅ローンなど独自の品ぞろえで、道内金融機関の目の届かない顧客層の開拓を進める。
 スルガ銀の進出を受け、ゆうちょ銀行が住宅ローンを道内で展開するのではないかとの憶測も流れる。ただ、現時点ではそうした計画はない。
 対する道内勢では、北海道銀行が住宅メーカーなどとの結びつきを強めるため、六月二十六日に「住宅ローンプラザ感謝の集い」を開催した。会合は二〇〇七年に続き二回目。集まった住宅メーカーの代表者や営業担当者に対し、堰八義博頭取自らが名刺を配って回った。
 さらに道銀は四月から、ポイントシステム「ステップDO」の条件を住宅ローン契約者向けに緩和した。住宅ローン契約者は、同行ATMでの引き出しの時間外手数料が無料となる。給与振込口座開設と組み合わせれば、ATMでの振込手数料も無料になる。
 道内の二〇〇七年度の新設住宅着工戸数は前年度から一五%減り、四万二千三百九十七戸と二年連続の減少。住宅ローンの主要顧客層となる持ち家の着工戸数も一〇%減った。
 このため、新築以外のリフォーム需要向けに住宅ローンの新製品を投入する金融機関もある。札幌信金は今夏から住宅調査会社と提携し、信頼性の高いリフォームの性能評価書がある場合に低利融資するサービスを始めた。
【図・写真】イオン銀行は2日、札幌市のショッピングセンターに道内1号店を開業した







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