20080803 日本経済新聞 朝刊

 二日正式に発足した福田改造内閣に対し、霞が関の中央官庁の官僚からは、「ベテランが並ぶ布陣で、安定した政権運営が期待できる」と歓迎の声が出ている。伊吹文明財務相や与謝野馨経済財政担当相など主要な経済閣僚に、財政規律を重視する人材を配したため、財務省は「財政再建が進む」と期待。公務員制度改革で官僚批判を繰り広げた渡辺喜美行政改革担当相が閣外に去ったことに、安堵(あんど)の声も漏れる。
 旧大蔵官僚出身で自民党税制調査会の幹部も長年務めた伊吹氏の就任について、財務省では「歳出削減路線の堅持へ追い風」(幹部)との受け止めが多い。
 一方、厚生労働省では改造内閣が「安心実現内閣」をうたうだけに、抑制が続く社会保障費の「拡充へカジを切る好機」との受け止めが多い。留任した舛添要一厚労相は「二千二百億円の抑制は限界」と主張。立場は厚労官僚に近い。
 道路特定財源改革など課題が山積する国土交通省は、谷垣禎一前自民党政調会長の就任に「重量級で、国会答弁も心配ない」との声が上がる。谷垣氏が元財務相だけに、公共事業削減が財務省主導で進む警戒感も省内にくすぶるが、ある幹部は「パフォーマンスに走るタイプではない」という。ただ谷垣氏が主導力を発揮しきれなければ、道路予算改革が踏み込み不足に終わりかねない。
 閣僚が選挙対策に軸足を置きすぎると官僚の巻き戻しが勢いづく懸念もある。






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