20080730 日本経済新聞 朝刊
政府は二十九日、社会保険庁の後継組織として二〇一〇年一月に発足する日本年金機構の基本計画を閣議決定した。発足時の職員を〇八年度比で一五%減らすことや、懲戒処分歴のある職員の一律不採用などを盛り込んだ。改革の基本計画が固まり、社保庁は八月に「設立委員会」を設けて機構の設立準備を急ぐ。
政府は業務の外部委託を積極的に進めれば、大幅な人員削減が可能と判断。基本計画は機構が必要とする人員数を、正規職員で〇八年度比一七%減の一万八百八十人(うち民間採用千人)、有期雇用職員で一〇%減の六千九百五十人とした。
過去に懲戒処分を受けたことのある職員八百六十七人は年金機構で採用しないことも明記した。厚生労働省が当初作成した計画案では「有期雇用職員として一年受け入れる」となっていたが、自民党が「採用基準が甘い」と反対し、書き換えた経緯がある。
閣議決定を受け、社保庁は機構の設立準備を急ぐ。設立委員会には舛添要一厚労相が十人弱の設立委員を任命。この設立委員が年金機構の採用・労働条件を決め、職員募集を始める。採用から漏れた社保庁職員には厚労省への配置転換や、民間企業への就職あっせんなどで対応。行き先が見つからなければ解雇となる。
労働組合は反発を強めている。全国自治団体労働組合(自治労)と全国社会保険職員労働組合は二十九日に記者会見を開き、「一度処分を受けた職員を不採用にするのは二重処分だ」と訴えた。今後、厚労相や坂野泰治社保庁長官に職員の解雇を避けるよう意見書を提出する。
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