20080727 日本経済新聞 朝刊

 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題は、ほぼ一年にわたり世界の金融市場を揺さぶっている。中期的な視点に立てば、株式市場はまだ拡大を続けている。
 個人投資家になじみのあるニューヨーク、香港、東京の三証券取引所の上場時価総額の推移を、国際取引所連盟(WFE)の統計でたどってみた。三取引所の合計時価総額は二〇〇〇年十二月末の十五兆ドルから〇八年五月末には二十一兆ドルへと、四割強増えている。この期間の株式市場はサブプライム問題のほかにも、〇一年の米エネルギー大手エンロン破綻のショックにも襲われた。世界の株式市場は様々なショックを吸収しながら、中期的には上昇してきた。
 日本の家計の金融資産は〇七年度末に千四百九十兆円へと、七年間で七%増えた。内訳は安全資産である現金・預金の割合が五四・一%から五二・〇%、リスク資産の株式・出資金は七・七%から九・三%。スピードは遅いながら、「貯蓄から投資へ」の流れは進んでいる。
 ただサブプライム問題が長期化する中、直近では一部の個人マネーが株式や投資信託から、安全性の高い定期預金に戻る傾向も出ている。(おわり)









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