20080719 日本経済新聞 夕刊

 夏休みがスタートした十九日、関東各地は晴天となり、親子連れらが行楽地に繰り出した。ただ旅行の予約は国内・海外とも低調。原油高騰などが家計に影を落とし、遠出を控える人が目立つ。小学生に自宅の節電の取り組みを点検する宿題を出す自治体もあり、“省エネ型”の夏休みになっている。
●行楽地
 東京・練馬の遊園地「としまえん」には朝から、浮輪を持った家族連れや若者らが入場券売り場に列を作った。小学二年の長男ら家族四人で訪れた中野区の男性会社員(43)は「ガソリン高などが家計に響き、毎月の貯金ができなくなった。子供は北海道の旭山動物園に行きたいと言っているが、行っても“ケチケチ旅行”になるので悩んでいる」と打ち明ける。
 東京・秋葉原の電気街。世田谷区の男性会社員(54)は「ガソリンが高すぎて今年の家族旅行は中止。夏休みは家にこもって五輪観戦ですよ」と苦笑い。「会社でも帰省を控える同僚が多い」という。神奈川県相模原市の男性会社員(53)も「食料品の値上がりで家計は苦しくなる一方。休み中も遠出は避けて過ごします」と話した。
●旅行
 「(窓口で)ぎりぎりまで行き先に迷う方が多かった。航空運賃の値上がりで予算オーバーになってしまった人も多い」。JTBの担当者は今年の旅行予約の動向についてこう話す。
 同社によると、夏休み期間(七月十五日―八月三十一日)の海外旅行者数は前年同期比七%減の二百二十五万人。国内旅行も同〇・九%減の七千三百五十万人と四年ぶりに減る見込み。
 特に海外旅行は燃料費の上昇分を航空運賃に上乗せする燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が昨年の二倍に膨らんだことなどが影響しているという。
●観光
 東京都内を巡る観光バス「はとバス」には十九日から、国内で初めて燃費の良いハイブリッドバス四台が登場。東京タワーなどを回るツアーに参加した千葉県佐倉市の女性会社員(23)は「車酔いしやすい体質だが、震動が少なく気にならなかった。もっと増えてほしい」と笑顔で話した。
 東京都江東区は区内の小学五年生全二千八百人に、節電などの実践結果を記録させる宿題を出した。「冷房の利用時間を減らす」「買い物ではマイバッグを持ち歩く」など十六項目について、できたかどうかを毎日点検表に記入する。「家庭全体で環境問題への意識を高めてもらえれば」(同区)と期待する。
【図・写真】プールで遊ぶ子どもたち(19日午前、東京都練馬区のとしまえん)