20080713 日本経済新聞 朝刊

 与党は十二日、来年四月から七十―七十四歳の医療費の窓口負担を引き上げる措置を凍結する方針を固めた。現行の一割負担から二割負担への移行を一年程度、先送りする方向だ。約千四百億円の必要財源は今年度補正予算で手当てしたい考えで、政府との調整に入る。来秋までに次期衆院選があるなか、高齢者の反発を招く負担増を回避する狙いだが、財政規律は緩むことになる。
 十五日に開く与党の作業チームで具体的な議論を開始。二〇〇九年度予算の概算要求基準(シーリング)策定前の月内に決定し、政府に財源の手当てを求める。
 窓口負担は現在、六十九歳までと、七十歳以上の現役並み所得者(夫婦世帯で年収約五百二十万円以上)が三割。現役並みの所得がない一般の七十―七十四歳は一割負担になっている。
 政府・与党は〇六年に成立した医療制度改革関連法で、七十―七十四歳の窓口負担割合を〇八年四月に二割に引き上げることを決定。ところが〇七年七月の参院選で与党が惨敗したため、福田康夫政権発足後の同年十月に実施時期を〇九年四月まで一年先送りした。今回、先送りすれば二度目の凍結になる。
 財源は今年度補正予算で手当てする見通し。来年四月以降に必要な財源は本来、来年度予算に反映するのが原則だが、政府・与党はシーリングで社会保障費の伸びを二千二百億円抑制する方針。新たに大きな額を捻出(ねんしゅつ)する余地は乏しく、シーリングの上限枠と無関係の補正予算で事前に手当てしたい意向だ。

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