20080704 日本経済新聞 朝刊

 二〇〇七年度の公的年金の積立金の市場運用利回りがマイナス六・四一%と五年ぶりにマイナスになったことが三日分かった。米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題を背景に、国内外の株安が直撃。運用損失は五兆八千億円に達した。運用低迷が長引けば、将来の国民負担につながりかねない。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が四日午後に発表する。資産別に運用利回りを見ると、最も成績が悪かったのが国内株式でマイナス二七・九七%。外国株式は円高の影響も加わり、マイナス一七・一%だった。
 一方、資産の六割超を占める国内債券の利回りは金利低下(債券価格は上昇)に伴い、三・三一%と安定収益を確保した。外国債券は現地通貨ベースではプラスの運用利回りとなったが、円高が進んだ影響で円ベースの収益はほぼゼロとなった。
 〇四年度の年金制度改正で、積立金の運用利回りは年三・二%という前提で将来の年金財政が安定するように設計している。
 過去五年(〇三―〇七年度)の平均利回りは五・七%で、すぐに財政悪化をもたらすわけではない。ただ足元の株安は深刻。運用低迷が長引けば、財政を圧迫し、保険料引き上げにつながる可能性もある。

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