20080702 日本経済新聞 朝刊

 金融庁が保険金の不払い問題で大手生保などに業務改善命令を出す方針を固めたのは、入れ替わりの激しい営業職員が複雑な商品を販売するビジネスモデルの転換を迫る狙いがあるとみられる。(1面参照)
 生保各社は二〇〇五年から不払い調査を開始。金融庁が調査命令を出した〇七年二月以降は、多くの社員を動員し、営業活動よりも優先して調査してきた。金融庁内にも、「不払い調査には一定の懲罰的な効果もあり、行政処分は必要ないのでは」との意見もあった。
 それでもあえて金融庁が処分に踏み切るのは、経営の抜本改革を促すためとみられる。複雑な特約がたくさんついた大手生保の商品は契約者にとってわかりづらく、不払いの温床となった。だが、保険料の減収を避けるためか、商品の簡素化の動きは鈍いままだ。
 営業職員による販売体制にも問題が多い。十分な商品の説明がなかったり、すぐに担当職員が辞めたりすることも多く、契約者が保険金の請求漏れを起こす一因になった。
 大手生保が不払い問題に手間取るなか、わかりやすい商品をインターネットで販売する「ネット生保」も登場し、競争は一段と激しくなった。今回の処分を改革の契機にできるかが生保各社に問われそうだ。

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