20080628 日本経済新聞 朝刊
厚生労働省は二〇〇九年度税制改正で、たばこにかかる税金を引き上げるよう要望する検討に入った。社会保障費の増大を背景に、与野党でもたばこ税の引き上げを主張する声が出ており、増税論議に拍車がかかりそうだ。
紙巻きたばこには現在、たばこ税、たばこ特別税などをあわせて一本当たり約八・七円のたばこ関連税がかかっている。年間のたばこ税収は国・地方あわせて約二兆二千億円にのぼる。
ただ日本の一般的なたばこの価格(一箱約三百円)は英国の四分の一未満、フランスの半分未満にとどまる。厚労省は喫煙率を下げるには価格の引き上げが有効と判断。基礎年金の国庫負担割合引き上げなどが見込まれ、財源が必要になっていることもあり、たばこ税の引き上げを要望する方向で調整する。
与野党からもたばこ税の引き上げを求める声が強まっている。自民党の中川秀直元幹事長らは自民、民主など超党派の議員連盟を発足させ、たばこ税の引き上げを盛りこんだ提言をまとめる方針だ。
だが、たばこ税の引き上げには関連業界からの反発も強い。日本たばこ産業(JT)は「取りやすいところからとる安易な増税議論には反対」としている。BNPパリバ証券は、たばこ税を一箱当たり約二百八十円引き上げて価格を現在の約二倍(六百円)にしても消費量が減少するために税収の増加額は一兆五千億円程度にとどまると試算している。