20080629 日本経済新聞 朝刊

 妻 ETFは選択肢が増えているそうですね。
 FP 東京証券取引所では〇八年にETFが二十銘柄以上追加され、現在は三十銘柄以上を売買できるようになりました。最近登場したのは電力、通信といった業種別ETF、中国の株価指数に連動するものなど。ETFの種類を規制していた金融商品取引法が改正されたので、今後さらに多様なETFが国内で上場される見込みです。
 国内証券会社で購入できる海外ETFも年々増加しています。取扱数が多い楽天証券では六十六本を売買可能で「今後も本数を増やしていく方針」(楽天証券外国株式事業部長の新井党さん)です。
 夫 そんなにたくさんあると、どうしていいのか……。
 FP FPのカン・チュンドさんは「株や債券などを組み入れた国際分散投資をする際、ETFを使えば便利」と話します。TOPIX連動型のほか、日本以外の先進諸国で構成する「MSCIコクサイ」や新興国を対象にした「MSCIエマージング・マーケット」などの指数に連動するETFを使うことで、例えばアクティブ型投信を使うより大幅に低コストの国際分散投資が可能になるのです。
 そこでカンさんに一例としてポートフォリオを示してもらいました(グラフC)。新興国は成長を見込んで、現在の世界の時価総額に占める比率より多めになっています。
 そのほか「運用の核となる部分のETFと、資金の一部で高いリターンを狙う部分のETFなど、役割を重視して選ぶのも一法」(新井さん)です。核となる部分は国内外の株や債券のETFを使い、その他に資金の一部で「商品指数に連動するETFなどを取り入れるのも有効」(カンさん)と言えるでしょう。
 娘 ETF選びの注意は?
 FP FPの前川貢さんは銘柄選びの際、「純資産額に注意すべき」と指摘します。業種別のETFのように、市場全体を対象とするETFよりも投資対象が小さい場合、純資産も取引量も少なく、値動きは激しくなりがちだからです。投資する際も資産の一部にとどめましょう。
 海外ETFをネット証券で購入する場合、証券会社が確定申告のために売買記録を管理してくれる「特定口座」を利用できないことが多いのです。確定申告が必要なときは、自分で計算しなくてはなりません。
 野村証券など対面型証券会社なら海外ETFでも特定口座に入れられることが多くなっていますが、販売手数料がネット証券より高いので、費用と利便性のどちらを重視するかの選択になります。(小林由佳)
=この項おわり