20080606 日本経済新聞 地方経済面
不動産仲介で道内最大手の常口アトム(札幌市、渋谷正人社長)は保険事業に乗り出した。専門の子会社を設立し、五月三十日付で少額短期保険業者(ミニ保険会社)の登録認可を受けた。富士火災海上保険とも業務提携し、支払い手続きが簡単な独自の火災保険などを販売。収益源を増やすと同時に、主力の賃貸物件の仲介数増加につなげる。
常口アトムは二〇〇六年から賃貸物件の入居者向けに、修繕費用などを補償する共済会を運営してきた。ただ〇六年四月の保険業法改正により、〇八年三月末で共済会の営業ができなくなった。
同社は保険事業の準備会社として全額出資の常口セーフティを〇五年に設立。今年五月三十日付で、道財務局から登録の認可を受け、社名も常口セーフティ少額短期保険(同、萩野克己社長)に変更した。ミニ保険の登録は道内で初めて。
登録と同時に、賃貸住宅の入居者向けに独自商品の販売を開始。火災や水害などで、事故発生直前の状態に復旧するのにかかる費用を支払う。従来の賃貸住宅保険と違い、対象物ごとの支払い上限額や補償割合がない。「部屋の広さに応じて支払う保険で、業界で初めての商品」(萩野社長)という。
富士火災との提携では、四月に同社の社員を常口セーフティの執行役員として迎え入れた。「内部監査やコンプライアンスの責任者として現場を見てもらう」(浅野隆之常口アトム専務)。さらに七月末に、富士火災やメーンバンクの北海道銀行などを引受先として四千万円の第三者割当増資を実施する。筆頭株主は常口アトムのままだが、保有比率は三一%に下がる予定だ。
常口セーフティは共済会が保有する約六万件の契約を引き継いでおり、現在の年間保険料は約五億円。五年以内に契約数を十二万―十五万件に増やし、年間保険料十億円以上を目指す。
常口アトムの賃貸住宅の管理戸数は約四万三千戸で、〇七年の賃貸仲介件数は約四万七千件と道内トップ。今月一日に青森市に初出店し、今年度中に仙台市と東京都内にも進出する。入居手続きから管理、事故対応まで自社グループで対応し、道内外での賃貸需要の囲い込みを狙う。
▼少額短期保険業者(ミニ保険会社) 二〇〇六年四月の保険業法改正で認められた新しい形態の保険会社。金融庁の保険免許が必要なく、最低資本金は保険会社の百分の一で済む。一方で保険会社にはない年間保険料や保険期間、保険金額の上限に制限がある。生保や損保を兼営でき、新商品を迅速に開発できるのがメリット。これまでに全国で約四十社が登録した。
不動産仲介で道内最大手の常口アトム(札幌市、渋谷正人社長)は保険事業に乗り出した。専門の子会社を設立し、五月三十日付で少額短期保険業者(ミニ保険会社)の登録認可を受けた。富士火災海上保険とも業務提携し、支払い手続きが簡単な独自の火災保険などを販売。収益源を増やすと同時に、主力の賃貸物件の仲介数増加につなげる。
常口アトムは二〇〇六年から賃貸物件の入居者向けに、修繕費用などを補償する共済会を運営してきた。ただ〇六年四月の保険業法改正により、〇八年三月末で共済会の営業ができなくなった。
同社は保険事業の準備会社として全額出資の常口セーフティを〇五年に設立。今年五月三十日付で、道財務局から登録の認可を受け、社名も常口セーフティ少額短期保険(同、萩野克己社長)に変更した。ミニ保険の登録は道内で初めて。
登録と同時に、賃貸住宅の入居者向けに独自商品の販売を開始。火災や水害などで、事故発生直前の状態に復旧するのにかかる費用を支払う。従来の賃貸住宅保険と違い、対象物ごとの支払い上限額や補償割合がない。「部屋の広さに応じて支払う保険で、業界で初めての商品」(萩野社長)という。
富士火災との提携では、四月に同社の社員を常口セーフティの執行役員として迎え入れた。「内部監査やコンプライアンスの責任者として現場を見てもらう」(浅野隆之常口アトム専務)。さらに七月末に、富士火災やメーンバンクの北海道銀行などを引受先として四千万円の第三者割当増資を実施する。筆頭株主は常口アトムのままだが、保有比率は三一%に下がる予定だ。
常口セーフティは共済会が保有する約六万件の契約を引き継いでおり、現在の年間保険料は約五億円。五年以内に契約数を十二万―十五万件に増やし、年間保険料十億円以上を目指す。
常口アトムの賃貸住宅の管理戸数は約四万三千戸で、〇七年の賃貸仲介件数は約四万七千件と道内トップ。今月一日に青森市に初出店し、今年度中に仙台市と東京都内にも進出する。入居手続きから管理、事故対応まで自社グループで対応し、道内外での賃貸需要の囲い込みを狙う。
▼少額短期保険業者(ミニ保険会社) 二〇〇六年四月の保険業法改正で認められた新しい形態の保険会社。金融庁の保険免許が必要なく、最低資本金は保険会社の百分の一で済む。一方で保険会社にはない年間保険料や保険期間、保険金額の上限に制限がある。生保や損保を兼営でき、新商品を迅速に開発できるのがメリット。これまでに全国で約四十社が登録した。