20080602 日本経済新聞 朝刊

 七十五歳以上を対象に四月から導入した後期高齢者医療制度(長寿医療制度)の見直し案で、与党は保険料を軽減する対象を拡大する方向で検討に入った。所得が比較的高い人が負担する「所得比例部分(所得割)」にも軽減措置を新たに導入する。具体的には年金収入が年百五十三万―二百八万円の高齢者を対象に、所得割の保険料を二五―一〇〇%軽減する。(関連記事2面に)
 一日、明らかになった改善策の原案に盛り込まれた。これまでの議論ですべての世帯が負担する「均等割」について軽減措置を拡大する方向が固まっていた。与党は二日の厚生労働関係議員の幹部会合で原案を提示し、最終調整に入る。今週半ばに与党案をとりまとめ、来週中に政府・与党で正式決定する予定だ。
 所得割の保険料について、年金収入が年百五十三万円超―百六十八万円の人は全額免除するなどの措置を新たに盛り込む。百六十八万円超―百七十三万円は七五%、百七十三万円超―百九十三万円は五〇%、百九十三万円超―二百八万円は二五%、それぞれ減額する。
 保険料はこの所得割に、均等割を加算して決める。実際の保険料の金額は制度を運営する都道府県単位の広域連合が決めるため、住んでいる地域によって異なる。現行制度の下で全国平均の保険料は年額七万円程度。
 均等割に関して与党は、現在二―七割の軽減措置を拡充する方針をすでに決めている。被保険者が基礎年金(月額六万六千円=年八十万円程度)以外に収入を得ていない世帯の保険料を来年度から九割軽減する。年金からの保険料の天引きに関しては、本人の申請に基づき、親族の預貯金から引き落としを認める方針だ。
 改善策は福田康夫首相が政府・与党に策定を指示。今月十三日までに全体像をまとめる予定だ。
 ▼所得割と均等割 後期高齢者医療制度の保険料には年収が高い被保険者が多く支払う所得比例の「所得割」と、被保険者全員が割り勘で原則として同じ水準の金額を支払う「均等割」がある。保険料は両者の合算。地方税の住民税などにも似た仕組みがある。
 年金収入で見ると、所得割は収入が百五十三万円以下の人にはかからない。本来は割り勘の均等割には、収入に応じて軽減する措置がある。軽減措置が適用されるかは夫と妻の所得を合算した世帯単位で判定する。