乳癌(がん)腫瘍の成長(増殖)速度(growth rate)は患者によって異なるが、若い女性ほど速い傾向があることが、ノルウェーの研究者らによって示され、医学誌「Breast Cancer Research」オンライン版5月8日号で報告された。研究者らは、今回の知見がスクリーニングプログラムや臨床試験、他の研究の計画や評価に有用であるとしている。
今回の研究で、ノルウェー癌登録機構病因研究部門のHarald Weedon-Fekjr氏らは、新しい数学モデルを用いて、マンモグラフィ(乳房撮影)で検出可能な乳癌の数を推定することにも成功。これは、腫瘍の成長速度とマンモグラム(乳房X線像)の腫瘍検出能を同時に推定する新しいアプローチである。同氏らは、50~69歳の女性39万5,188人のマンモグラフィ結果を用いて、このモデルを検証した。
その結果、腫瘍の成長速度は患者によって有意に異なることが判明した。腫瘍20個のうち約1個が1カ月で10mmから20mmへ2倍の大きさになったが、2倍になるまで6年以上かかった腫瘍も同数認められた。この結果に基づき、同氏らは、腫瘍が2倍になるには平均1.7年かかると推定した。
腫瘍の成長速度は若齢女性のほうが速く、加齢とともに遅くなった。また、マンモグラフィによるスクリーニングテスト感受性は、腫瘍が大きくなると著しく上昇し、5mmの腫瘍は検出率が26%であったが、10mmの腫瘍では91%にまで上昇した。Weedon-Fekjr氏は「乳癌スクリーニングプログラムの感受性の意義は大きい」と述べている。
米国癌協会(ACS)のDebbie Saslow氏は「今回の研究で、40歳以上の女性にはやはりスクリーニングが必要で、若いほど腫瘍の成長が速いことが示された。若齢女性は1~2年毎、高齢女性は毎年スクリーニングを受けるべきというガイドラインは理にかなっていない」と述べている。
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