20080520 日本経済新聞 朝刊
駒村康平・慶応義塾大学教授 社会保障国民会議が「税方式ならこれだけお金がかかる」というデータを明らかにしたことで「誰がどれだけ負担をするか」という論点が明確になった。
税方式に移行して仮に消費税率を五%分引き上げた場合、サラリーマンは年金保険料が減る分を差し引いても負担増になる。一方で労使折半の保険料のうち企業負担分がなくなる。どう労働者に還元するかが課題だ。
税方式を議論する際には税財源をどう使うのかを考えなければならない。消費税の引き上げ分を年金だけに充当すると医療や介護に原資がまわらなくなる可能性が出てくる。少ない税財源を何に配分するかで共通認識を確認することが必要だ。
小塩隆士・神戸大学大学院教授 社会保険方式と税方式を同じ土俵に並べ、消費税率を含めた長期試算を示したことは評価する。税方式の「追加税額」は現在の保険料の代替分も含む。差し引きでの負担増はもっと少ない。企業の保険料負担の減少と家計の税負担増を比べたが、経済学的にはともに人件費だ。
税方式で過去に納めた保険料の実績を考慮すると調整期間を長くとる必要があるとも指摘しているが、現行制度の問題点についての議論はなく、不公平な印象だ。税方式は低年金・無年金の解決に一歩前進することは間違いない。国民年金の保険料の納付率の変化が年金財政に与える影響は軽いというが、若年低所得層の老後に関する分析を欠いている。
駒村康平・慶応義塾大学教授 社会保障国民会議が「税方式ならこれだけお金がかかる」というデータを明らかにしたことで「誰がどれだけ負担をするか」という論点が明確になった。
税方式に移行して仮に消費税率を五%分引き上げた場合、サラリーマンは年金保険料が減る分を差し引いても負担増になる。一方で労使折半の保険料のうち企業負担分がなくなる。どう労働者に還元するかが課題だ。
税方式を議論する際には税財源をどう使うのかを考えなければならない。消費税の引き上げ分を年金だけに充当すると医療や介護に原資がまわらなくなる可能性が出てくる。少ない税財源を何に配分するかで共通認識を確認することが必要だ。
小塩隆士・神戸大学大学院教授 社会保険方式と税方式を同じ土俵に並べ、消費税率を含めた長期試算を示したことは評価する。税方式の「追加税額」は現在の保険料の代替分も含む。差し引きでの負担増はもっと少ない。企業の保険料負担の減少と家計の税負担増を比べたが、経済学的にはともに人件費だ。
税方式で過去に納めた保険料の実績を考慮すると調整期間を長くとる必要があるとも指摘しているが、現行制度の問題点についての議論はなく、不公平な印象だ。税方式は低年金・無年金の解決に一歩前進することは間違いない。国民年金の保険料の納付率の変化が年金財政に与える影響は軽いというが、若年低所得層の老後に関する分析を欠いている。