20080520 日本経済新聞 朝刊
社会保障国民会議は物価上昇率以下に給付額の伸びを抑える「マクロ経済スライド」を導入しなかった場合に保険料負担がどう増えるかを試算した。国民年金では月額五千円、厚生年金では料率が三・五%分、現在想定している上限額より高くなる。税方式でも現行方式でも給付抑制策を避けることは難しそうだ。
マクロ経済スライドは調整賃金や物価変動をすぐに年金額に反映させず、年金受給者の平均余命などで求めた改定率で年金給付額を調整する仕組み。給付を実質的に切り下げる効果を持ち、〇四年の年金制度改正時に導入された。
マクロ経済スライドを導入しない場合に必要な追加財政負担を見ると、現行の保険料方式では二五年に五兆円、税方式では六兆円(消費税換算一・五%)。五〇年には二倍近くに膨らみ、これを保険料の引き上げなどで埋めることになる。
現行制度では一七年まで徐々に保険料負担が増えるが、それ以降は国民年金が一万六千九百円、厚生年金は一八・三%の固定負担で済む。マクロ経済スライドを導入しないと、保険料負担は国民年金で三五年まで、厚生年金で二七年まで上がり続ける計算になる。