20080515 日本経済新聞 朝刊

 高齢者の負担軽減策以外でも改善策づくりのテーマは多い。
 焦点の一つは、年金からの保険料天引きを選択制にするかどうか。年金が少ない場合は家族が払えるような道も残してほしいとの要望が強いためだ。だが、厚労省が十四日に開いた会議では、自治体の担当者から「徴収事務の負担が発生するから、やめてほしい」との声が相次いだ。
 病気回復の見込みが乏しい場合、延命治療の有無などを医師と相談してあらかじめ文書にまとめるサービスの見直しも課題。医療機関には相談料として報酬が支払われるが、政府・与党はこの廃止を検討している。民主党などから「医療費削減ありきで患者の切り捨てにつながる」と批判が出ているためだ。ただ厚労省は「医療現場の声を踏まえてつくった制度で見直すつもりはない」(幹部)と主張している。
 六十五―七十四歳で障害者と認定された人が後期高齢者医療制度に加入しないと医療費補助が受けられなくなっている問題もある。厚労省の江利川毅事務次官は十四日、自治体担当者に「いろんな指摘を十分にご勘案いただきたい」と話し、強制的に加入させるのではなく、あくまでも自主的な申請に基づくよう自治体に是正を求めた。