20080509 日本経済新聞 朝刊
「二千二百億円はもう限界だ」。昨夏の就任時には歳出抑制路線の堅持を強調していた舛添要一厚生労働相だが、最近の国会答弁では社会保障費を毎年二千二百億円抑制するという政府目標の「撤廃」を公言してはばからない。(1面参照)
二〇〇八年度予算では薬価引き下げや政府管掌健康保険の国庫負担肩代わりなどで二千二百億円の抑制を数字上は達成した。ところが国庫負担肩代わりのための法案は今国会での成立が絶望的で、千億円分の達成が困難。その分は〇九年度以降に追加削減を迫られる。今回の財務省方針は、なし崩し的に社会保障費を拡大しようとする厚労省へのけん制でもある。
〇九年度の社会保障予算では引き下げ余地のある薬価の改定はなく、勤務医や介護職員の不足解消のための対策費を求められている。歳出減に努力しても、二千二百億円の抑制は容易ではない。
社会保障国民会議が六月にまとめる中間報告と経済財政諮問会議の「骨太の方針」が当面の天王山だ。ここで歳出抑制の路線がぐらつくようだと社会保障費は際限なく増えかねない。せっかく決めた基礎的財政収支の黒字化目標を達成できなければ巨額の負担が将来世代に先送りとなる。
政管健保の国庫負担肩代わりと似たつじつま合わせの色合いが、雇用保険の国庫負担廃止にもある。二千二百億円の抑制は、抜本的な制度改革による効率化で達成されるのが理想だ。
「二千二百億円はもう限界だ」。昨夏の就任時には歳出抑制路線の堅持を強調していた舛添要一厚生労働相だが、最近の国会答弁では社会保障費を毎年二千二百億円抑制するという政府目標の「撤廃」を公言してはばからない。(1面参照)
二〇〇八年度予算では薬価引き下げや政府管掌健康保険の国庫負担肩代わりなどで二千二百億円の抑制を数字上は達成した。ところが国庫負担肩代わりのための法案は今国会での成立が絶望的で、千億円分の達成が困難。その分は〇九年度以降に追加削減を迫られる。今回の財務省方針は、なし崩し的に社会保障費を拡大しようとする厚労省へのけん制でもある。
〇九年度の社会保障予算では引き下げ余地のある薬価の改定はなく、勤務医や介護職員の不足解消のための対策費を求められている。歳出減に努力しても、二千二百億円の抑制は容易ではない。
社会保障国民会議が六月にまとめる中間報告と経済財政諮問会議の「骨太の方針」が当面の天王山だ。ここで歳出抑制の路線がぐらつくようだと社会保障費は際限なく増えかねない。せっかく決めた基礎的財政収支の黒字化目標を達成できなければ巨額の負担が将来世代に先送りとなる。
政管健保の国庫負担肩代わりと似たつじつま合わせの色合いが、雇用保険の国庫負担廃止にもある。二千二百億円の抑制は、抜本的な制度改革による効率化で達成されるのが理想だ。