5月7日22時38分配信 産経新聞


 日本生命保険は7日、平成20年3月期決算で、契約者に約束した予定利率を実際の運用実績が下回る「逆ざや」の状態が解消されることを明らかにした。生保業界では、バブル崩壊後の資産運用の低迷で逆ざやを余儀なくされてきたが、日本生命は12年の情報開示以来初めて逆ざやから脱却する。第一生命保険も逆ざやを解消するもようで、生保業界の経営環境の好転が鮮明になった。
 生命保険では、契約する際にあらかじめ資産運用による一定の運用収益を見込んで、その分の保険料を割り引いている。この割引率を予定利率といい、ここから生まれる損益を「利差損益」と呼んでいる。バブル時には高い資産運用を見込んで予定利率を高めに設定していたが、バブル崩壊後の低金利や株式市場の低迷で運用環境が悪化。実際の運用利回りが予定利率に届かない逆ざや状態になっていた。日本生命ではピークの13年には逆ざやが3400億円に達していた。
 生保各社では利益を内部留保として自己資本を厚くする一方、景気回復による株式の配当金の増大や、ゼロ金利からの脱却で運用環境が好転し、逆ざや状態の解消が進んでいた。
 日本生命では今後も個々の一部の契約で残る逆ざやに対応するため、19年3月期から5年間、個人保険の責任準備金1兆2000億円の積み増しも行う。19年3月期は約300億円の逆ざやだったが、20年3月期は数百億円規模の順ざやとなる見込み。
 第一生命も20年3月期で逆ざやが解消される見通しで、ほかの大手生保も前後して数年以内に順ざやに転じるとみられる。
 また、日本生命は20年3月期分の個人契約者向けの配当を4年連続で引き上げる方針を固めた。有配当契約の約半分に当たる680万件を対象に、前年度より約60億円配当を増やす。第一生命も約100億円の増配を実施するほか、住友生命保険や明治安田生命保険も、それぞれ増配する方向で検討している。